テレワーク時代のおもしろマナー4選|謎ルールにも一理ある?興味本位で覗いてみよう

テレワークとオフィスワークの間には、埋めることができない「差」があるのは当然のこと。

この差が「出社と在宅の成果の差」とならないように、様々な工夫がなされています。

「出社と在宅で何もかも同じにしよう! そう、たとえばビジネスマナーもね!」

差を埋めることを考えるうえで、対面マナー・ルールを「正」として在宅業務に当てはめた結果、謎マナーが誕生。

「謎」と感じるかどうかは人それぞれですが、これが原因でテレワークに働きにくさを感じている人もいます。

ご自身の職場のルールに疑問を感じている方、それって謎ルールかもしれませんよ……。

今回はチャットとWeb会議に的を絞り、謎ルール・おもしろマナーを覗いてみます!

チャットマナーがコミュニケーションを減速させる!?

話し言葉
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対面での会話をテキストに置き換えるだけ、では済まないのがビジネスチャットです。運用ルールが複雑化すると、対面以上に気を遣う恐怖のツールになり得ます。

また明確なルールはないはずなのに、ローカルルールや暗黙のルールが自然発生し、辟易している方も……。

いくつかピックアップしてみましょう。

チャット文面に話し言葉を入れてはいけない

時間をください
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取材音源から「うーん」「あー」「そうですねぇ」といった話し言葉や合いの手を削って文章化することを「ケバ取り」と呼びます。

取材原稿ではすべてのケバを削るわけではなく、意味があるケバは残します。場の雰囲気を伝えるために必要なケバもあるのです。

チャットは取材原稿ではありません。しかしチャット文面にケバを入れるな・残すなというルールを設ける会社があるのだとか。

対話におけるケバの役割

話者の感情や伝わりにくい曖昧なニュアンスを伝えるのがケバや話し言葉の役割で、これがない会話はとても味気なく、堅苦しい雰囲気になります。

潤滑剤のようなケバをチャットに織り交ぜれば、文字だけとはいえ「会話・対話」の雰囲気が生まれ、文面が柔らかくなるはずです。

ケバは使いどころに注意

もちろんケバだらけのチャットは論外ですし、上司に対して話し言葉を連発するのも好ましいとは思えません。上司への業務報告にケバは必要ありません。

一方でチーム内の相談、上司への気軽な相談の範疇であれば、適度なケバが話者のニュアンスを的確に伝えてくれるのではないでしょうか。

上司にスタンプを送ってはいけない

chatworkのリアクション

誰かの投稿に対し、こちらのちょっとした反応を伝える絵文字が「スタンプ」です。チャットツールによっては「リアクション」と呼ばれることもあります。

スタンプ周りのルールとしては「上司にスタンプを使うな」というものを時々目にします。

このルールを定めた人々は、たとえば「上司にサムズアップする部下」「上司に向けてクラッカーを鳴らす部下」をイメージしてしまうのでしょうか。

そんな陽気な部下がいるという前提を、まず捨てていただきたいものです。

スタンプは部下の気遣い…の可能性

というのも、部下は忙しい上司を気遣ってスタンプを使っている可能性があるからです。

上司にメンションを付けると上司に通知が届きますが、スタンプだけなら通知されません。Slackだと「メンション&リアクション」に件数が表示され、Chatworkだとスレッドが上位に上がるだけです。

部下がスタンプを使うのは、ほんの一瞬でも上司の集中を途切れさせないように、という気遣いではないでしょうか。

部下は上司に「オッケー、ボス!」と親指を上げたいわけではなく、仕事の邪魔をせずに「承知しました」を伝えています。

明確に返信を求めるチャットに対しては使わないのが吉

筆者の場合、何らかの依頼・指示に対してスタンプのみで済ませるのはNGでした。

依頼を受けられるのかどうか知りたい依頼者は、何度もスレッドの動きを確認しなければなりません。

ちなみに筆者は以前から実装を心待ちにしているスタンプがあります。「お待ちください」スタンプです。

「チャットを確認しました! でも返信は後ほど」の意を伝えるスタンプがほしいですね……。

POINT

スタンプは当たり障りのないものをいくつかピックアップしておきましょう!

回線不良で休みたくなるWeb会議のマナー

電話
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テレワークのおもしろマナーとして時折話題になるのがWeb会議です。

  • オフライン会議のマナーがオンラインで礼儀正しいとは限らない
  • オンラインだからといって礼儀作法を無視すべきではない

どちらも正論。では実例を挙げてみましょう。

上司より後にログインしてはいけない

webミーティング
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上司より先にログインしてはいけないし、ログアウトしてはいけないルールも存在します。会議室の入室順と考えれば、対面会議でよくあるマナーです。

対面会議で部下が先に入室・後に退出するのには目的があります。

  • 資料を配付するため
  • プロジェクターを設定するため
  • お茶を配るため
  • 片付けをするため 等

これが形骸化して「とにもかくにも部下は先に入室するのがマナー」になっています。

そしてこれが一部のWeb会議にも適用されているというのです。

上司の動きを予想して先回り

対面だったら上司の動きを見て、会議室に先回りすることができますが、オンラインではそうもいきません。

部下は上司がログイン「するであろう」時間を予想し、それより前にログインしなければなりません。

気まぐれな上司は会議の15分前にログインするかもしれませんし、全員が1分前にログインするかもしれません。

早めにログインした上司と2人きりで他のメンバーを待つ、というつらい状況も起こりえます。

時間のロス

テレワークでは会議室への移動がなく、業務がひと段落した1秒後にWeb会議に参加できます。忙しい方ほどこの恩恵にあずかっているのではないでしょうか。

ログイン順を守るために、部下は早めにタスクを切り上げて、カメラの前で待つことになります。

全員揃うまでは自分のタスクを進められるかもしれませんが、気が気ではありません。上司との世間話に付き合わされるかもしれません。

1回のWeb会議において、部下がロスする時間はほんの数分。しかし毎週複数回行われるWeb会議では数秒のロスが大きな時間的損失になるのは明らかです。

テレワークの生産性や効率化を求める反面、旧来のルールにしばられ、時間を無駄にしているように感じてしまうのは筆者だけでしょうか。

Web会議の目的は会議です。余裕を持ってログインして会議で居眠りしている部下と、ギリギリに駆け込んで積極的に話に参加する部下、Web会議に必要なのは後者ではないでしょうか。

テレワークの利点を生かしたルールを再考し、変えていく必要がありそうですね。

ちなみに……会議終了後は上役から順にログアウトするのがルール。その際、画面越しにずっと頭を下げておくオプションルールもあります。

室内を見せてはいけない

暗い和室
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自宅を映すな、ということです。この逆で、背景画像を設定するなというルールもあります。そろそろげんなりしてきましたね。

室内を見せたくない人にとって背景画像はとても便利です。散らかった部屋をサッと隠せます。

すぐ後ろに壁やカーテンがある場合は隠す必要はないでしょう。それでも「室内は見せない」ルールには反してしまうわけです。

背景画像はリモハラ防止にも役立つ

室内を見せないように、というルールにはリモハラが関係していると思われます。

「○○さんっぽいカーテンだね」と褒めたつもりの言葉がハラスメントになる昨今。会社としては自衛の意味を込めて、ルールを定めているのかもしれませんね。

会社で統一するケースもあり

対外ビジネス会議では、会社のロゴなどをあしらった背景を使うケースがあります。

個人ではなく「会社」として会議に出ていますから当然ですし、理解できます。

背景設定のルールは何のため?

社内メンバー同士で日常的に行われるWeb会議において、背景設定をルール化する理由を一律「それがマナーだから」とする考えには首をかしげます。

マナーは誰の・何のためにあるのか。自宅が映り込むことが、背景にラグジュアリーなカジノが映っていることがなぜマナー違反なのか。

必要性が説明できない、全員が納得・理解できないマナーは、心のこもっていない口先だけの挨拶と同じではないでしょうか。

POINT

マナーは相手に対する尊敬・尊重の表れです!

テレワークはマナーのあり方を考えるチャンス!

手を乗せる
https://unsplash.com/photos/UOwvwZ9Dy6w

マナーとは礼儀作法であり、ルールとは違います。

マナーは個人個人が相手や場を尊重して礼儀正しくするもの。本来、誰かに指図されて守るものではありません。

対してルールは皆が守る規則です。何かの目的があって作られます。その目的に全員が納得していれば、ルールは守るべきでしょう。

つまり、上司より先にログインすることが「会社のルール」であれば、そうする目的・意味があるはずなのです。

単に「社会人のマナーとして」ということであれば、本当にその行動が誰かを尊重することにつながるのか、ぜひ再考してみてください。

働き方が大きく変わった今、目的が見えないルールや形だけのマナーを見直す好機ととらえてみてはいかがでしょうか。

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