会社員とフリーランスの働き方を比較すると、「働く時間」と「働く場所」に大きな違いがあります。
会社員 | フリーランス | |
---|---|---|
働く場所 | 定時がある | 自由 |
働く時間 | オフィス | 自由 |
会社員の場合、「オフィス」という仕事空間に一定時間拘束されます。
つまりやる気が出なくても、強制的に仕事せざるを得ない状況に置かれるため、何となく仕事は進むということです。
しかしフリーランスの場合はそうもいきません。
縛るものがないので、怠けてしまったりダラダラしてしまったり、仕事が捗らないこともあるでしょう。
今回はそんな「やる気が出ない」「集中力が切れた」ときに役立つツールやテクニックをご紹介します!
ポモドーロ・テクニック
ポモドーロ・テクニックとは、時間管理術のひとつです。
ポモドーロ・テクニック(英: Pomodoro Technique、ポモドーロ法)とは、1980年代にイタリア人のフランチェスコ・シリ※によって考案された時間管理術。 このテクニックではタイマーを使用し、一般的には25分の作業と短い休息で作業時間と休息時間を分割する。1セットを「ポモドーロ」と呼ぶ。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ポモドーロ・テクニック
※フランチェスコ・シリロが正しい表記のようです。
やり方は非常にシンプルで、以下の1.〜4.を繰り返し実施します。
- 25分間作業する
- 5分間の休憩をとる
- 1.と2.をあと3回繰り返す
- 20〜30分程度の休憩をとる
ポイントは、1.の時間内にタスクを終わらせる努力をすること。
小学校の授業が1コマ45分と考えると「1ポモドーロ=25分」はちょっと短く感じませんか?
25分という時間は、シリロ氏が試行錯誤して得た「もっとも集中できる時間」なんだとか。
また、ちょっと短い25分の時間設定には以下に挙げるメリットがあります。
- 25分という短い単位で区切るので、やる気が起きないときでも比較的取り組みやすい
- 集中力が高い状態を持続できる
- タスクを25分ごとに細分化することで進捗管理が容易になる
実施時の注意点
この方法を試す際は、以下の5点に注意してください。
- タイマーをかけて時間管理する
- 作業時間は自分で調整する
- タスクは細かく分割する
- 休憩中は何も考えない
- 予定外のことは後回しor中断
1.タイマーをかけて時間管理する
作業終了時間と休憩終了時間にはタイマーをセットします。
もしタイマーが鳴った時点で作業が終わっていなくても、そこで必ず手を止めてください。
- ×:タスクの完了で手を止める
- ○:タイマーが鳴ったら手を止める
最初のうちはタスクが終わらなかったり、逆に時間が余ったりするかもしれませんが、問題ありません。
慣れてくれば、適切にタスクを分割できるようになります。
2.作業時間は自分で調整する
「1ポモドーロ(作業時間)=25分」はシリロ氏の研究結果であり、一般論です。自分の集中力持続時間に応じて調整してください。
もし「自分は40分くらい集中できる!」という人は、長めに設定しても構いません。
3.タスクは細かく分割する
1ポモドーロ・1タスク消化が基本です。
時間がかかりそうな大きいタスクは、作業時間内に収まるよう細かく分割します。
4.休憩中は何も考えない
次のターンで再び高い集中力を発揮するために、休憩中は頭を空っぽにして休むことが大切です。
お気に入りの飲み物を飲んだり、深呼吸したり、簡単なストレッチをしたりして、リラックスしましょう。
5.予定外のことは後回しor中断
人の集中力は、自分の外側にある「外的要因」と自分の内側にある「内的要因」によって阻害されます。
- 外的要因
例)電話やメールなど - 内的要因
例)仕事中にアイディアが浮かぶ・やるべきタスクを思い出すなど
ポモドーロ・テクニックの実践中は、これらの要因を全て取り除くことで集中力をキープします。
外的要因は緊急度によって対応が変わります!
- 緊急性が高ければ手を止め、対応を終えてからタスクをやり直す
- 緊急性が低ければ仕事最優先、終わってから外的要因に対処
外的要因に関しては、多くのかたが「相手を待たせている」「催促されている」といった理由で、緊急性が低くても急いで対応するのではないでしょうか。
ポモドーロ・テクニック実践中は緊急度を考えて対応しましょう!
思い浮かんだことはメモに残して仕事に戻る
作業中にアイデアが湧いてきたり、やるべきタスクを思い出したりした場合(内的要因)は、メモだけ残しましょう。
ポモドーロ・テクニックを実践する際は、ひとつのタスクだけに集中するのが原則です。
もし日頃からマルチタスクを求められている場合、このテクニックはあまり有効ではありません。
アプリもおすすめ
ポモドーロ・テクニックに必要なのは、時間を測るタイマーだけです。
最近は専用のアプリも登場しているので、これらもぜひ活用してみてください。
同時にタスク管理ができたり、ゲーム要素があったりと、面白いアプリもたくさんありますよ!
Focus To-Do
ポモドーロ・テクニックで集中力を高めつつタスク管理もできる優れものアプリです。
基本の「25分作業→5分休憩」以外の設定も可能、無理なく継続できます。
また、作業内容や時間をまとめた統計レポート機能も搭載。何に時間がかかっているか一目瞭然です!
Focus To-Do: ポモドーロ技術 & タスク管理
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アヴェ・クラシック ~クラシック男子による作業集中タイマー~
クラシック音楽の擬人化キャラクターが登場する「作業応援アプリ」です。
タイマーをセットして仕事し、時間になるとクラシック男子が知らせてくれます。
作業用BGMはもちろんクラシック!
アヴェ・クラシック ~クラシック男子による作業集中タイマー~
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mocri
学生時代、友達と一緒に勉強したら捗った! という経験がある人も多いのではないでしょうか?
現代の学生はどこかに集まる代わりに、ビデオ通話機能を使って友人と一緒に勉強をしているそうです。
周囲の視線を意識しがちな人は、自分を客観的に捉える能力に長けています。
こういったタイプの人は、他者の視線を感じる環境に身を置くことでやる気をアップさせることができます。
そんなフリーランスにとって役に立つのが、作業通話アプリの「mocri」です。
mocri(もくり) – ふらっと集まれる作業通話アプリ
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このアプリでは、同じチャットルームに入室した人同士で会話を楽しむことができます。
チャットルームは2種類。
- 最大20名が同時に集まって話せるフリースペース
- 入室制限をかけて指定した相手だけと話せるルーム
そのときの気分や仕事内容など、状況に応じて使い分けることができます。
mocriのメリットは、これだけではありません。
待ち合わせ不要!好きなときに使える
学生時代は友人と生活リズムがほぼ同じなので、「◯時から一緒に勉強しよう」と誘いやすい環境でした。
しかしフリーランスは、働く時間も仕事内容もバラバラ。
また学校や会社のようなコミュニティに属していないことも多く、気軽に誘える仲間がいないという問題もあります。
しかしmocriなら、誰かを誘って待ち合わせする必要がありません。
- 自分より先に入室している人がいればすぐ会話に参加可能
- 誰もいなければ入室して待機も可能
アプリ上で友達登録した相手には入室通知が届くため、わざわざ仲間を誘う必要がないのです。
時間を気にせずに使える
- 短時間の作業のためにわざわざ誘うのは気が引ける
- 早朝/深夜の作業は迷惑になりそうで誘いにくい
そんなときこそ、mocriが便利です。
相手の気が向けば、相手と時間が合えば、自由に参加してもらえるので、相手と予定を合わせる必要がありません。
作業のメリハリをつけられる
mocriには「集中モード」があります。
これを使用することで、たとえば25分間は集中タイム・5分は休憩タイム、といった具合に時間を区切ることができるので、メリハリをつけて作業を進められます。
誰かと繋がっていたいけれど、集中して進めたい作業がある、という場合に便利な機能です。
会ったことがない人たちとも繋がれる
筆者はTwitterで、「一緒に作業しましょう」という呼びかけを何度も見たことがあります。
顔を写す必要もなく、声だけでコミュニケーションを取れるツールなので、会ったことのない相手とも気軽に集まることができます。
繋がりを持ちにくいフリーランスにとって、非常に便利なツールだといえるでしょう。
デッドライン効果
あなたは小学生の頃、夏休みの宿題を先に済ませる派でしたか? それとも最終日に慌てて取り組む派でしたか?
人間は締切までに余裕があると、「後回しでもいいや」という気持ちになりがち。
夏休みの宿題を放置してしまうのも、これが原因です。
逆に期日が迫ってやらざるを得ない状況になると、普段以上に高いパフォーマンスを発揮できることもあります。
実はこの現象には「デッドライン効果(デッドラインテクニック)」という名前がついています。
締切を設定することでやる気や集中力が高まる心理効果
この心理を利用することで、やる気アップ・集中力アップ効果が期待できます。
タスクを細かく分割してから締切設定を!
締切を決めるときは、最終到達目標(数・パーセンテージ等)を可能な限り細かく分割しておくのがおすすめです。
- 20日間でおにぎりを1,000個握る
↓分割 1日にいくつ握ればいいだろう…? - 1日あたりにおにぎりを50個握る
↓分割 1個あたり2分で握れるから… - 1日120分で終わらせる
25個握る→20分休憩→25個握る
タイムスケジュールまでしっかり決めてしまえば、大きな締切に対しても毎日コツコツ取り組みやすくなります。
大きな数も、分割して落とし込めば「たいしたことないや」と思えるはず。
締切設定は厳しめに!
締切を決めるときは、厳しめに設定するのがコツです。
人は締切設定の時点で、無意識のうちに「余裕を持たせている」ことが多いといわれています。
たとえば「この作業は1時間で終わる」と見積もっていた場合、実際には45〜50分程度で終えられることがほとんど。
そのため、集中力を高めたいときにはあえて、自分が考えているより2割程度厳しめに締切設定することをおすすめします。
プライミング効果
先に受けた刺激によって、無意識のうちにその後の行動が影響される状態を指す言葉です。
帰宅中、どこからともなく唐揚げの香りが……。
コンビニに立ち寄り、買い物を済ませて店を出ると、なぜか買う予定がなかった唐揚げを買っていた!
行動が無意識のうちに起こるため、「なぜそうしたのか」という理由の説明がつきません。
「唐揚げの香り」と「コンビニで唐揚げを買う」ことは繋がっていますが、本人にはその自覚がないということです。
この効果をうまく利用することで、仕事のやる気アップに役立ちます。
今やる気が出なくて悩んでいる人も、きっとこれまでに以下に挙げる瞬間があったはずです。
- やる気に満ち溢れていた瞬間
- 仕事に没頭できていた瞬間
- 高い集中力を発揮できた瞬間
このときの状況をよく思い出してください。
どんな環境だったか? どんな時間帯だったか? 細かな条件をあげていくと、共通点が見つかるでしょう。
- 早朝は頭が冴えていて作業効率がいい
- カフェに行くと仕事に集中できる
- 家族が寝静まった深夜のリビングだと作業が進む
自分はこの環境でやる気が出た!という条件を書き出しておくことで、自己暗示がかかるといいます。
そうなれば、同じ環境下に身を置くことで自然とやる気が出て、仕事に集中できるようになるというわけです。
思い切って休むのもひとつの手段!
どんなに好きな仕事をしていても、どんなに楽しい仕事をしていても、やる気が出ない日はあります。
今回紹介したテクニックやツールが役に立たない日だってあるかもしれません。
そんなときには思い切って、しっかりと休むこともひとつの方法です。
大切なのは、そのときの自分に適した手段を見極めること。
ツールやテクニック、そしてときには休息をうまく組み合わせながら、仕事の効率アップを目指してみてください!