INTERVIEW
01
WORKER:マスダ キミ
STYLE:フリーランス
JOB:WEBライター/ディレクター/その他
今回はフリーランスのリモートワーカー・マスダキミさんにインタビュー!
自分の心と体が常にご機嫌でいられるように、働き方も休み方もじっくり練り上げている姿が印象的でした。
毎日が足早に過ぎていく気がするリモートワーカーの皆さん、必見です!
外でも中でも仕事ができる!それがリモートワーク
イベント会社の社員として時間も場所も不規則な仕事をする傍ら、WEBライターとしても活躍していたマスダさん。
フリーランス一本に絞った現在から過去にさかのぼり、お話を伺いました。
現在リモートで行っているお仕事について教えてください。
主にWEBライターとしての執筆と、メディア運営企業でマネジメント業務を行っています。
執筆はクライアントから構成を受け取るSEOライティングがメインです。
副業フリーランサーの頃はどういった仕事・働き方をしていたのでしょうか。
本業は出社業務でした。といってもオフィスではなく、シフト制で外に出る仕事が多かったですね。
副業はリモートのライターから始めて、ディレクター業務も依頼されてという形です。
時間や稼働日が不規則な本業の合間にリモートワークをやっていました。
スケジュール管理の面では副業がリモートワークでよかったなあという感じでしょうか。
リモートワークは自宅以外でもできますよね。遠方に出勤する日もあったので、電車移動の最中にスマホでポチポチ執筆できるのはよかったです。
休憩が長く取れる日は、人目につかない場所でこっそりポチポチと。時間や場所を選ばない点は大きなメリットだなと実感しました。
今でこそ副業OKの会社が増えましたが、マスダさんが働いていた会社は当時から副業OKだったんですか?
実は副業NGの会社だったので、会社にバレない程度でこそこそと……。
そうだったんですか!ディレクター業務も依頼されて仕事量が増えたと思いますが、大丈夫でした?
リモートの仕事が増え始めた時期がちょうどコロナ禍で、本業の仕事が減ったんです。そのタイミングで会社が公に副業を解禁してくれました。
期間限定の解禁ではありましたが、いくら稼いでも誤魔化しが効くぞ、とガツガツ仕事しまくりました。
時間管理の重要性を教えてくれたのは自分の体
リモートワーク移行後しばらくして、時間管理に対する意識が高まったそうです。
そのエピソードについて伺いました。
リモートワークを始めた当初、苦労したことがあれば教えてください。
本業とリモートワークのスケジュール組みで苦戦しました。
本業のシフトが最初に出て、隙間に執筆を入れてクライアントに納期を申告する、という流れでスケジュールを組んでいたんです。
ただシフトが向こう1〜2週間分しか出ないので、長期の予定が立てにくい。その上、直前になって勤務先や時間が変わることも頻繁にありました。
本業のシフトが変わっても執筆納期は変えられないので、「納期に間に合わない、どうしよう!」となるわけです。
その状態で納期に間に合わせるために、どうしていましたか?
それこそ電車の中で書けるところまで書く、休憩中に書くというリモートワークですね。
本業の勤務時間や曜日はどの程度変動があったのでしょうか。
勤務時間だと、数時間で終わる日もあれば12時間労働の日もあったり。曜日だと平日が休みになることもありました。
ただ副業のミーティングはクライアントに合わせて平日に行うので、その点は助かったかなと思っています。
本業をお辞めになって、フリーランスとしての稼働日や稼働時間はどのようにしていますか?
なるべく平日に稼働して、土日は休むようにしています。
仕事の状況によっては土曜日に少し稼働することもありますが、日曜日は仕事を入れないように意識的に予定を組んでいます。
稼働時間もある程度決めていて、朝9時頃に仕事を開始、落ち着いている日は17〜18時に終了しています。
どうしても長引く日でも、19時頃に一旦区切りをつけるように意識していますね。
「意識的」に取り組む必要性を感じたキッカケは、何かありますか?
100%在宅に移行してしばらくして、体調に異変を感じたのがきっかけです。
フリーランスって時間無制限で仕事できますよね。それをいいことに、食事・入浴・睡眠の時間以外ずっと仕事していました。
気付けば「ちょっと調子悪いな……」と。
残業を管理する上司なんていません。コントロールできるのは自分だけなんです。
それからは働く時間を見直して、仕事とプライベートの時間を意識的に区切るようになりました。
時間管理を意識すると稼働時間は短くなりますよね。仕事の進捗に何か影響はありましたか?
時間を意識的に区切ってメリハリを付けたほうが、やっぱり仕事の効率は上がりますね。
自分のキャパシティにはある程度限りがあります。執筆を例にとると、1日に書ける文字数や集中できる時間です。
数日先の納期だけを見てズルズル書くと集中力が続かないので、時間ばかりかかってなかなか書き終わりません。
逆に「この時間までに仕上げよう!」って決めて書くと集中できて進みが早い、っていうのを実感しました。
リモート環境で新しい仕事を始める
誰もが最初は1年生。とはいえ、慣れないリモート環境で新しい仕事を始めることに不安はなかったのでしょうか。
未経験ライターとしての出発点を伺いました。
WEBライターという仕事を選んだ理由を教えてください。
もともと「自己表現」的なものを探っていたんです。自分が作ったものを世の中に発信していきたい。この思いはずっとありました。
以前は音楽(バンド経験アリ)で発信していたんですが、仕事しながらできることって限られます。
それでも、自己表現に対する気持ちはどうしても捨てきれなくて。
色々探っていくうちに、表現者としてのライター業にたどり着きました。始めてみたら、すっかりのめり込んでしまって。
リモート環境で新しい仕事を始めることに不安はありませんでしたか?
不安はあまり感じなかったですね。不安はあっても、新しいことをやっているワクワク感の方が強かったんだと思います。
とにかく楽しいばかりで、大変な時期を無意識に乗り越えていたのかもしれません。
リモートワークにおける「人」との関係
リモートワークのマイナス要素である「顔が見えない」「家族の干渉」。
マスダさんはこれを利点と捉えていたのでした。
ディレクター・マネージャーとしてリモートでの人材育成も経験されています。大変だったことはありますか?
どちらかというと、対面でのコミュニケーションがあまり得意ではないんです。
人の顔・目を見ながらだと、ちょっとドキドキしてうまく話せないことが多くて。
非対面コミュニケーションはリモートワークの欠点とされていますが、私の場合は非対面に助けられたかもしれません。
ただ苦労はありましたよ!文章だけで業務説明をすることが多かったので、伝え方には悩みました。
「これじゃうまく伝わらないかも」って修正を繰り返すと、10分ぐらい経っているんです。1人でごちゃごちゃやる時間がとにかく長い!
口頭で説明できればすぐ終わるのかもしれません。リモートでは教える側の効率っていうのも考えないといけないなと感じました。
文字だけで指示を出す・教えるコツがあれば教えてください。
チャットのコミュニケーションを円滑にする、という基本的なことを大切にしていました。
業務範囲が広くなると閲覧できるチャットが増えて、色々なやり取りを目にします。
その中で、この伝え方・言い回しはすごく気持ちがいいなと感じたものを盗んで、取り入れていきました。
文字だけのやり取りも、リモートワークのマイナス要素として語られがちですよね。
でも対面では知り得ない情報が目に入りますし、仕事の動きも見えてくる。
膨大な文字情報の中からヒントを得て仕事に活かせるっていうのは、チャットならではの利点だなと思っています。
それと、自分が下っ端だったときの上司とのやり取りも参考になります。声掛けの仕方や相手を安心させる文章表現などですね。
これを順番に拾って積み上げてきたからこそ、マネージャーに上がれたんだと思います。
チャットの「見える」という利点を活かして、良いものはどんどん取り入れていくことがコツでしょうか。
リモートワークのマイナス要素として「家族の干渉」も聞きますが、マスダさんはいかがでしょうか。
自分の仕事をどの程度理解しているか定かではないのですが。
リモートワークという働き方を否定されることはないですし、こういう仕事があるっていうのは理解してもらえていると思います。
朝から晩まで仕事していた時期、ご家族の反応はいかがでしたか?
やっぱり心配する声はありました。
でも「働きすぎ!」ではなくて、休んだほうがいいんじゃない?そこら辺で一回区切ったら?程々にしておいたら?という程度です。
自分自身は働きすぎている感覚もなく没頭していたので、ありがたかったです。
家族に声をかけてもらえることで現実に戻れたし、一旦手を止めることもできました。
ご家族とは別の部屋で仕事をしていたのでしょうか。
今は別の部屋ですが、以前はリビングとひと続きの部屋で仕事していました。テレビの音が聞こえるくらいの距離感です。
でもお互い干渉せず、奥で仕事している人がいて、リビングでテレビを観ている人がいて、というだけですね。家族の存在が気になることはなかったです。
ご機嫌になれるリモートワーク環境は体にも◎
引っ越しを機に仕事環境を整備したマスダさん。強いこだわりはない、とおっしゃっていましたが……。どうでしょうか?!
ワークスペースについて伺いました。
仕事部屋や仕事環境にはこだわる方ですか?
あまりこだわりはないんです。リモートワーク開始当初はデスク環境なんて意識せず、小さな机にノートPCを置いて、椅子にもこだわらず。
とにかく仕事を取って仕事をこなすことだけに集中していました。でも思い返してみると、疲れやすかったんですよね。
完全フリーランスに移行して、引っ越しを機に大きなデスクとデスクトップPCを買いました。
自分の城を作ったことでモチベーションは上がりましたね!それと長い時間仕事していても、疲れを感じにくくなりました。
マスダさんのリモートワークを支えているグッズがあれば教えてください。
まずはゲーミングチェアです。座りやすいのはもちろん「自分のデスク」感、気持ちの部分でも快適です。
それとPCの両サイドに置いているスピーカー!結構いいスピーカーを買ったので、音質が良いんです。良い音に囲まれながら仕事しています。
ゲーミングチェアはどんなタイプですか?こだわりの使い方があれば教えてください。
割と平均的なゲーミングチェアです。
リモートワークを始めるときに、「これでリモートワーク頑張りなさい」とプレゼントしてもらいました。
なのでメーカー名は分からないんですが。
その時の気分に合わせて座面の高さを変えられるのがすごく便利です。
キーボードに対して高い位置で仕事したいときと、椅子に埋もれて仕事したいときがあるので、調整して使っています。
あとはリクライニング機能も快適です。フットレストがついているので、足を出して横になって音楽をかけてマッタリと……。
(編集部:いいなぁ!いいなぁ!)
音楽経験があるマスダさんは、仕事中も音楽をかけていることが多いのでしょうか。
音楽が邪魔になるときもありますが、そうでなければ音楽をかけていることが多いです。
歌詞が気になる曲ではなくてディズニーのサントラとか、カフェミュージックのプレイリストなんかをBGMにしていますね。
ONKYOのコンポを使っています。Bluetoothもつながるので好きな端末から再生して、ちょっとベース強めで。
(編集部:いいなぁ!いいなぁ!)
絶対に譲れないのは「お昼ごはん」
インタビュー前に「とある1日」のスケジュールを伺いました。
そこから見えたのは、自身の内なる声に耳を傾け、今の自分に何が必要なのか考えるマスダさんの姿でした。
日によって前後するとは思いますが、絶対に譲れないルーティンがあれば教えてください。
譲れないのはお昼休憩!お昼ごはんは絶対に抜きません。
遅くても12時半頃には手を止めて、お昼ごはんを食べるっていうのは決めています。
お昼ごはんは絶対!その理由は?
完全リモートワークに移行した当初、仕事に区切りがつかないと15時ぐらいまでぶっ続けで仕事していたんです。
でも、やっぱり崩れるというか、食事の時間が不規則になっただけでガタがきた感じがしたんです。あまりよくない状態だなと思いました。
それからは意識的に休憩をとることと、お昼ごはんはお昼に食べるって決めました。
お昼だけじゃなくて、朝昼晩の食事もなるべく固定するように意識しています。
午前8時と10時、仕事の時間を2つに区切っている理由を教えてください。
朝の時間帯は頭がクリアな状態で、集中力が高いっていうのを耳にしたんです。
ですから8〜10時は集中力が必要な仕事を割り当てています。私の場合は主に執筆ですね。
10時以降はクライアントが出社するので、チャットの通知が増えてきます。
通知がくると集中が途切れてしまうタイプなので、チャット関連・動きがある仕事は10時以降に割り当てるような感じです。
19時から「夜の散歩」とありますが詳しく教えてください!以前から継続しているのでしょうか。
100%リモートワークになってからですね。会社員のときは基本的に立ち仕事で、運動不足を感じることなんてありませんでした。
でもリモートに切り替わった途端、体力低下と運動不足が気になってしまって。ずっと家にいるのも良くない気がしてきたんです。
外の空気を吸ったり体を動かしたりする習慣として、夜のお散歩に出ています。
夜を選んでいるのは、仕事をやりきってスッキリしてから出かけたいからです。仕事の合間に出かけると忙しないですから。
仕事を終えたら夕飯の支度と運動がてらの散歩、家族の帰宅を待って夕食という感じですね。
リモートワークのメリットを活かして次のステージへ
最後に、今後希望する働き方を伺いました。
会社員としての出社業務とリモートワーク双方経験済みのマスダさんは、どちらを選ぶのでしょうか。
今後の働き方として、出社業務という選択肢も考えていますか?
できる限りリモートワーク、今の形で仕事を続けていきたいですね。一番の理由は「時間」を好きなように使えるからでしょうか。
本業をやっていた頃は、通勤に往復3時間かかることがあったんです。1日の拘束時間の中で3時間って、結構な割合ですよね。
それと社員っていう立場上、仕事の前後にちょっとしたことで時間を取られて、すごくもったいないなと。
時間を取られる分、夫に家事をお願いしていたこともありますし、帰宅してバタバタと家事を片付けるのが日常でした。
でも今、私は家にいて、自分のペースで仕事も家事もできる。無駄な時間も作業も省ける。
仕事から帰った夫が何もしなくていいように整えておくことができます。
自分に与えられた時間を、自分のペースで、自分の好きなことに使える点がリモートワークの魅力です。
すごく心地が良いですし、続けていきたいなと思っています。
最後に、今後やってみたい仕事や方向性があればお聞かせください。
ライターもディレクターもやってきて、今は改めて「書き続けたい」と思っています。
自分にとって楽しいことを仕事にするなら執筆、なんですよね。
ライターを始めた頃から心の隅っこに棲み着いている「思い」があります。
『自分が好きなことを思う存分書いて、世の中に発信していきたい』
今はクライアントの構成で執筆していますが、いずれは「好きなことを発信する」を叶えたいです。
そのために、当面はライターとして執筆の幅を広げていくつもりです。
貴重なお話、ありがとうございました!
編集後記
仕事は定時で終える。タイムマネジメントが大切。規則正しい食生活と生活リズムを遵守。運動不足は大敵。
これらはリモートワークの「正しさ」だと理解しているものの、何となくズルズルと仕事し続けてしまいます。
しかし、今回のインタビューを通して「一般論としての正しさは必ずしも必要ない」と感じました。
誰かに指示されて休む・働くのではなく、優先すべきは自分の心と体です。休みたいのか働きたいのか、辛いのか心地よいのか。それに合わせて行動する。
心と体のご機嫌を取り続けていれば、無理なく快適なリモートワークが継続できるのではないでしょうか。
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所要時間は30〜60分ほど。職種は問いません!↑↑のボタンから詳細お問い合わせください。