リモートワークはフリーランスの働き方、なんて考え方はちょっと古い!今や正社員もリモートワークを行う時代です。
しかし周囲を見渡してみると、リモートワークに「一時的」に移行した方がほとんどで、これから先ずっと正社員としてリモートワーク継続が決まっている方にはなかなか出会いません。
正社員でリモートワーク、これって都市伝説なのでしょうか。いいえ、そんなことはありません!確かに求人は存在しますし、数も少なくありません。
今回は正社員のリモートワーク求人の特徴をクローズアップします!
どんな職種が多いのか、本当にリモートワークができるのか、どういった企業が求人を出しているのか。近年の企業動向を交えてご紹介します。
正社員・リモートワーク可能求人の特徴
働き方が多様化して選択肢が増えた結果、求人案件の記載内容がかなり複雑化している印象です。
求人案件のタイトルに「リモートワーク可」「フルフレックス」「時短勤務可」と書かれていても、実は業務委託案件だったり、在宅派遣案件だったりします。「正社員」「直雇用」といった言葉が書かれているか必ず確認しましょう。
適切な条件で絞り込んでいけば正社員・リモートワーク可能求人が抽出できますが、職種の選択肢はまだ少ないようです。またリモートワーク「可能」でも一定の条件を設けている求人もあります。
職種の選択肢は増加傾向!
やはりIT系が強い!リモートワークを取り入れる「業界」の幅は広がったものの、IT関連職種の求人が多い傾向です。しかしスキルが要求される仕事はフリーランスに委託し、教育コストを下げる企業もあります。
代わりに増えつつあるのが、オンラインで完結しつつも「人」とのやり取りが発生する職種です。比較的閉鎖的な職種がメインだったリモートワークに「コミュニケーション能力」が求められつつあります。
IT技術職はフリーランスと争奪戦?!
リモートワークと好相性の職種としてはIT技術職が挙げられます。WEBデザイナーやシステムエンジニアなどが代表例です。PCがあれば基本的には1人で業務が完結するため、フリーランス案件にも多く見られます。
WEBライターや編集者、出版関係の職種もリモートワークと好相性ですね。WEBライターはフリーランス案件が多い傾向ですが、出版社のライター・編集者はリモートかつ正社員の求人が出ています。
人と関わるIT職種がじわじわ
IT系としてはマーケターやデータアナリスト、それをベースとしたコンサルタントの案件も多いですね。クライアントとのやり取りは発生しますが、全てオンラインで完結できます。
広告関連の職種にも正社員・リモート求人が出ています。広告運用はイメージしやすいのではないでしょうか。実は広告営業の求人もリモートワーク可能な職種であり、正社員を求める企業が見られます。
正社員に任せたい!重要な職種
リモートワークはヒトよりモノ・テックとの相性が良いとされていましたが、近年はヒト分野でもリモートワークが行われています。例えば採用業務。履歴書や職務経歴書を応募フォームから送信、面接はオンラインです。
とはいえ採用担当者には自社にマッチする人材を見抜く力が要求されますし、いわば企業の「顔」。こうしたことから正社員求人が多いようです。
情報セキュリティとクラウド活用で大量の機密情報を社外で扱うことも難しくなくなりました。そのためいわゆるバックオフィス業務も正社員・リモートワークの求人として増えつつあります。
今後はリモートワークでも対人スキルが求められる!
正社員・リモートワーク求人に見られる就業条件
リモートワーク求人を探す方は、当然のことながら「今後リモートワークを主体として働きたい」方です。しかし現在の日本のリモートワーク状況は非常に不安定。今リモートワークを実施している企業が今後も継続するとは限りません。
リモートワーク可能と表記しながら条件付きで実施している企業もありますし、勤務時間が固定されている案件もあります。
思い描いていたリモートワークと違う!なんてことにならないよう、十分確認しましょう。
リモートワークの条件
「フルーリモート」と書かれた案件は基本的に出社が発生しません。それ以外は注意が必要です。例えば月に2回は出社が必要なケースもあります。出社曜日が決まっている案件もあります。
リモートワークOKだとしても、リモートワークだけとは限らないのです。
勤務地や勤務場所
フルリモート求人なら勤務地の指定はなく、海外在住者歓迎!としている求人も多くあります。
定期的な出社が発生する場合でも出社できれば問題ありません。遠方から出社するなら交通費が支給されます。ただしあまり遠方だと負担になりますし、今後出社頻度が変更したら対応しきれないかもしれません。
勤務場所については、扱う情報の機密度や架電業務の有無により「在宅」を指定する案件があります。また基本的には自由としながらも、業務に支障がない場所というぼんやりとした指定も。
勤務時間
正社員のリモートワーク求人では勤務時間指定、指定時間内フレックスとしている案件、完全自由(フルフレックス)な案件などパターンがあります。
顧客とのやり取りが発生するなら真夜中に仕事するわけにはいきません。出社している社員と密に連携を取る場合も同様です。オンラインミーティングも基本的には日中に行われます。
納品ベースで報酬が発生する業務委託とは異なり、正社員は決められた時間働いて給料を受け取ります。一時的にリモートワークを行っている企業では、新しい勤怠管理システムを導入するコストを抑えるためにもリモート社員の勤務時間を揃える傾向です。
給与や手当など
リモートワークだからといって出社社員と手当に差がつくことはありません。逆にリモートワークの環境を整備するための支援金が支給されることがあります。出社社員の交通費の代わりにリモートワーク手当を出す会社もあるようです。
逆をいえば「オフィスはコーヒー飲み放題!」といった制度があっても利用できませんね。自宅でコーヒーを淹れましょう。
当然のことながら出社する場合と給料は同じです。残業についてはみなし残業制度を採用している企業もあれば、時間外手当が出る企業もあります。
今だけリモート?ずっとリモート?確認する必要アリ。
正社員・リモートワーク求人は未経験者にとって狭き門?
正社員かつリモートワーク求人の多くは専門性が高い業務内容であり、実務経験が求められる傾向です。
というのも、未経験採用では教育コストがかかります。リモートワーク正社員の研修となればオンライン。オンライン研修のノウハウを持たない企業では「育たない」リスクもあるのです。
採用コスト+教育コストをふいにするよりも、採用コストと高めの給与設定で即戦力を採用するほうが、企業にとってはプラスとなります。
未経験で正社員・リモートワーカーを目指すなら自分の得意分野を生かすべきでしょう。たとえばプログラマーやデザイナーといった技術職なら独学も不可能ではありません。
学ぶ意欲があり、学びを「形」(ポートフォリオ等)にしてアピールすれば、正社員・リモートワークで採用される可能性は十分あります。
パーソル総合研究所の調べによると、対面とオンライン研修では成果に差が見られないとのこと。
一方、研修受講者に対して、研修が成果につながったかを聞いた結果では、対面集合研修とオンライン集合研修では成果の有無に大きな差は見られなかった。eラーニングと比べると、オンライン集合研修のほうが成果につながっているという結果であった。
パーソル総合研究所 「コロナ禍における研修のオンライン化に関する調査」 https://rc.persol-group.co.jp/
今後リモートワークが更に普及していけばオンライン研修のノウハウを持つ企業が増え、未経験を受け入れて育成する環境ができていくはずです。
二兎追わずに大きな一兎を得る選択も
正社員として会社に直接雇用されれば生活は安定します。リモートワークができれば子育てをしながら、あるいは介護をしながら、勉強しながら自己裁量で仕事ができます。
もちろんどちらも手に入れば万々歳。しかし本当に自由度が高い正社員・リモートワーク求人は、実際のところ多くはありません。正社員は会社と雇用契約を締結していますから、会社から「出社して」と言われたら出社する必要があります。
定年を迎えるまでオフィスに出社すると思っていた多くの方が在宅勤務している昨今。この逆が起きないとは言い切れません。実際、リモートに切った舵を元に戻す企業も出始めています。
ある程度のスキルと経験があるなら、フリーランスに転向するのも1つの選択肢です。業務委託契約では仕事場所や時間、進め方の指示を受けません。一部を除けばフルリモート環境です。
その代わり、会社がやってくれていたバックオフィス業務を自身で行う必要がありますし、仕事を誰かが与えてくれるわけではありません。自己責任と選択と自己判断の連続です。
実際の案件を見てイメージしよう!
一般的な転職サイトで正社員・フルリモートの求人案件を探すことは可能です。どういった経験が求められ、どういった自由があって制限があるのか、ぜひ確認してみてください。
リモートや時短・副業といった新しい働き方の求人を掲載しているサイトとして「Reworker」があります。
求人案件がシンプルで分かりやすく掲載されているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。