「快適なリモートワーク環境」をテーマに、在宅リモートワークの問題点と解決策を深堀りします!
快適なリモートワークを妨げる要因を考えたとき、それを解決するには家族の協力が必要なケースや高額な出費が予想されるものもあるでしょう。
大きな力を注いででも解決すべき問題かもしれませんし、実は後回しでもいい問題かもしれません。まずは現時点での「快適を妨げる要因」を抽出してみてくださいね。
リモートワークの「快適を妨げる要因」と、その解決策を解説します!
リモートワークの9割は自宅で行われている

国土交通省の調べによると、リモートワークの実施場所の約9割が在宅(在宅とサテライト・モバイルワークの複合型も含む)ということが分かりました。
【設問対象者】雇用型テレワーカー、自営型テレワーカー [n=7,608] ※第1段階調査のテレワーク実施場所回答者のみ
○テレワークの実施場所としては、在宅型が約90%と最も多く、サテライト型・モバイル型と比べて突出して多い。
○テレワークの実施場所別での平均仕事時間は、サテライト型が5.0時間/日、在宅型が6.7時間/日、モバイル型
が2.4時間/日であり、在宅型の平均仕事時間が最も長い。
国土交通省 令和2年テレワーク人口実態調査 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001391381.pdf
カフェやコワーキングスペースではなく、自宅派の方が断然多いんですね。つまりリモートワークで快適に仕事をするには「自宅の仕事環境」を最適化していく必要があります。
- リモートワークに移行してから仕事の効率が下がった。
- 業務委託になったけれど仕事が捗らず受注を増やせない。
それ、仕事環境を整えれば改善するかもしれません!
長年リモートワークを続けている筆者の実体験を交えながら、まずは「快適なリモートワークを妨げる要因」をご紹介します。
「快適」を妨げる要因

快適なリモートワーク環境を考える上で避けて通れない「快適ではないリモートワーク環境考」。
出社勤務から突如リモートワークに移行した方は、ゆっくりと環境を整える時間なんて取れなかったはずです。とりあえずダイニングテーブルで。とりあえずタブレットで。そこから「快適」は生まれません。
リモートワークの「快適」を妨げる要因をいくつか挙げてみましょう。
仕事に必要な機器・設備が足りない

雇用型のリモートワーカー(社員の方)はリモートワークがいつまで続くか分かりません。「来週から出社ね」と言われる可能性もあります。
「自宅にプリンターがないけれど……。コンビニでいいか」
会社で使っていたプリンターやスキャナが必ずしも自宅にあるとは限らず、決して安くはない買い物ですから買わずに済ませる方もいます。
「ビデオ会議?!まあスマホでどうにかしよう」
WEBカメラではなくスマホのカメラ、という代替手段を考えるのは当然のこと。
「ボールペン1本あれば足りる」「とりあえず書類は机の端っこに積んで……」
フリーランスでも、機器類の置き場所や使用頻度を考えると購入に踏み切れない方がいるはずです。
しかし、たった1枚の印刷のためにコンビニに行くのは億劫。スマホの充電が切れていてビデオ会議に音声出席で肩身が狭い。こうしたことが続けば当然快適なリモートワーク環境から離れていきます。
机や椅子が仕事向きではない

会社で使っている事務机や椅子は、古くなって薄汚れて布が擦れていてもなかなか買い替えません。実は「仕事用」に作られた専用品であることがほとんどで、デザイン性に乏しい(ダサい)椅子でも結構なお値段です。
筆者は会社員時代に椅子の買い替えを任され、椅子の価格にビックリしました。こんなに高価な椅子を買う余裕があるなら分析試薬を5セット買ってほしい、と思ったものです。
長時間座っていても体への負担が少ない椅子と、必要なものにすぐアクセスできるように引き出しが配置された机。リモートワークを開始すると、何気なく使っていた物のありがたみを感じます。
仕事用ではない椅子に長時間座っていれば腰痛になりますし、机の高さが合っていなければ肩こりや頭痛にもつながります。これを続けていると、快適なリモートワークから離れていきます。
家族が気になってしまう

同居する家族がいる場合、親フラならぬ「家族フラ」は気になりますね!WEBミーティングをするにも「後ろ通らないでね」「声かけないでね」と制限を掛ける必要があります。
リモートワーク用に個室が用意できればいいのですが、日本の住宅事情を考えると簡単なことではありません。
家族に気兼ねしながらのリモートワーク、快適なはずがありません。
通信環境やPC環境が悪い

PCなんて使えればいい。ネットなんてつながればいい。と思ったら大間違い!
PCのスペックやWi-Fiの通信速度は仕事の快適さや質を大きく左右します。「初期投資」としてPCを買い換えるフリーランサーもいるくらいです。
特に映像・画像処理やビッグデータ関連の職種の場合、一時しのぎのロースペックPCは致命傷になりかねません。また最近はクラウドストレージの活用が主流です。通信環境が悪ければ当然仕事が進みません。
とはいえ、おいそれと買い替えできるほど安くないのがハイスペックPC。
「案件受注が増えたら買い換えよう」「リモートワーク継続が決まったら買い換えよう」
これを毎年更新していると、快適さも仕事の効率も失うことになります。
リモートワークを快適にしてくれるのは誰?

会社に言われてリモートワークを開始した方もいれば、自らフリーランスに転向してリモートワークを開始した方もいます。
共通していえるのは、他人は「快適な環境」を与えてくれないということです。
会社によってはPCの貸与制度があります。情報セキュリティの面で安心ですし、全員に同じ設定を施したPCを渡せば終わりです。
しかし社員それぞれの自宅に個室を設置したり、そこに合うサイズの机や椅子を配置したり、プリンターを置いたりしてくれるでしょうか。
今後リモートワークが国内で定着すれば、こうした「お世話」が制度化する可能性も無きにしもあらず。ですが、今の所リモートワークは日本の働き方にマッチしておらず、今後浸透していくとは考えにくいでしょう。誰もお世話をしてくれません。
快適なリモートワーク環境は自分自身で作る必要があります。
こう書くとまるで義務のような印象ですが、そうではありません。自分のコダワリを譲らず、自分好みのリモートワーク環境を作っていけば、自ずと快適性が得られるはずです。
次のページでは快適なリモートワークに必要な環境とその整え方を解説します。