INTERVIEW
04
WORKERS:Aya/neco/マスダ キミ/中山沙織
STYLE:フリーランス
JOB:WEBメディア関連業務 他
このたびREMO-zineでは、読者の皆さまに『女性フリーランスの「本当に飾りのない」リアルな声』をお届けすべく、女性フリーランス座談会を開催!
第1回目は、REMO-zineの執筆・編集に関わる女性4名にご参加いただきました。
4名の共通点である「Webライティング」にスポットを当て、案件選びや執筆スタンス・情報収集に至るまで、現役Webライターのホンネをお届けします。
これからフリーランスとしてデビューする方、Webライティングに関わりたい方、必見です!
※part2はコチラから!
Aya
副業フリーランス。日中はお堅い本業、夜間に執筆やWebディレクションを行っている。多忙を極めた役職期を終えたばかり。
マスダ キミ
フリーランス。現在は育児をしながら執筆やデータ入力を受託中。2022年に第一子出産、2ヵ月でライター復帰。
neco
美容師とWeb関連の兼業フリーランス。現在は育児がメイン、依頼が入れば隙間時間で仕事を受託。2021年に第一子出産。
中山沙織
フリーランス。Webコンサルやディレクション・編集などWeb関連を受託しつつ事業も展開中。子育ては落ち着きつつあり。
執筆案件はどう選ぶ?単価やジャンルの昔と今
皆さんクラウドソーシングサイトで執筆案件を受託した経験をお持ちですよね。
案件選びの基準やコダワリはありますか?
(編集部)
最初は単価やジャンルにこだわらず、とにかく実績作りを重視していました。「書かせてもらえるところで書く」みたいな。
しばらくして、自分が好きな音楽ジャンルの案件が取れたときに「書きたいことを書く」楽しさを知ってしまいました……。
音楽に振り切った執筆案件って、当時も今も珍しいですよね。エンタメ案件自体が少なくて似たり寄ったりのジャンルが多い印象。
エンタメ系で書きやすそう! って思っても大抵文字単価が安いんですよね。
私は割と執筆に時間がかかるタイプなので、時間単価に換算するとホントーに安いんです。それでも「書きたい!」と思うジャンル・メディアでした。同じような熱量で「安くても書きます!」って思う案件はそうそう出てこなくて、それ以降は文字単価1円を最低ラインにしていました。
ただ、文字単価が安くても書きやすければ時間単価としては高いわけで、文字単価だけで案件を決めるのはもったいない……かもしれません。
Ayaさんは同じエンタメ系でも動画関連サイトからスタートしたと伺いました。もともと動画を見るのがお好きだったんですか?
いいえ、全然!!
でも縁あってお話をいただいたので、ジャンルも単価も気にせず書き始めました。興味がないジャンルでも、書いているうちに知識が増えていくのは面白いですよね。VTuberにやたら詳しくなったりして。
もっと文字単価が高い案件も世の中にはあるんだってことを知って、それからは単価が安くて書きやすい案件と、単価が高めの案件を並行するようになりました。
Webライティング全体の相場やジャンルごとの相場、あらゆるものの感覚がつかめるまでは試行錯誤の連続なんですね。necoさんはいかがですか?
私も好きなジャンル、音楽のメディアは単価が安くても書いていました。事情があって一度そのメディアを離れたんですが、戻ってまた書かせてもらって。それぐらい、楽しく書けるメディアだったんですよね。
同じぐらいの単価で別ジャンルの執筆もしましたが、意欲・難易度と単価の折り合いがなかなかつかなくて……。それからは単価を気にするようになりました。
たとえば、単価が高くてもちょっと避けたいって思うジャンルはありますか?
ありますね〜! 私の場合は専門性が高いジャンルは避けています。比較的書きやすい美容系やエンタメ系優先。
私も金融関連とか、専門知識が求められるジャンルは避けちゃいますね。あと、何となく知っているだけで改めて勉強し直さないと書けないテーマとか。
私も専門性が高いものは……。PC関連やエンジニア関連の記事とか、ワケわからないです!
Webライティングって、納品スピードも要求されるじゃないですか。テーマを渡されてから納品までの数日間で、勉強して噛み砕いて記事にして……っていうのは結構ハードですよね。
それにクラウドソーシングを使うと手数料がかかるので「文字単価高かったのに手取り少なっ……時給いくら?」みたいなこともよくあるから、無理はしたくない。
文字単価だけで案件を選ぶのはリスクが高いのかもしれませんね。
※クラウドソーシングを安心して利用するために必要な手数料。分かっていても……高い! 手数料をはじめとしてフリーランスの「出て行くお金」をまとめた記事はコチラです。
自分はどの程度の時間でどれぐらいの記事が書けるのか。それが把握できると単価やジャンル・難易度による案件選びが上手になりそうですね!(編集部)
情報の取捨選択は正しさ+フィーリング!?
ノウハウ系記事に限らず体験談を書くにしても、
情報を発信する側の責務として「調べる」作業はつきものです。
調べた情報の取捨選択について心がけていることを教えてください。
(編集部)
信用できる情報をどうやって手に入れるか、どうやってフィルタリングするか、ですかね。
知識系記事の場合は、真っ先に国や企業・団体が出している一次情報を確認します。法律関連だと、弁護士さんが発信している情報も参考にしますね。
一次情報や専門家の見解を予め頭に入れておけば、そこから微妙にズレている情報を目にしたときに「引っかかり」が出てくるので、この情報は参考にしないでおこう、って判断できます。
「この記事はもっともらしいことを書いているけれど、何かおかしいぞ……」と気付く感度が上がるわけですね。
私は記事の雰囲気で決めているかも……。たとえば、読者に何かを紹介してオススメする記事なのに「この商品はダメです!」って断言するような記事は、私自身あまり好きではありません。
読者としてもライターとしても、1つのモノの良い面・悪い面を網羅している記事・サイト・情報を参考にすることが多いです。
私も同じ感じですね。書く方向性に沿ってまずは大きな括りで「情報」を探す。その中で自分の考えとズレるな、この情報はちょっと違うなと感じたら除外して、自分が「良い」と思う情報だけを集めていくような形です。
当たり前かもしれませんが、執筆する内容によって情報の探し方を変える必要がありますよね。制度や法律・仕組みといった普遍的なテーマで書くのと、ライフスタイル記事を書くのでは全然違う。
お堅い記事では一次情報が必須だし、専門家の見解はとても頼りになります。
じゃあ、Ayaさんやnecoさんのようにご自身の感覚に頼ったらダメなのかっていうと、そうではなくて。「読者」の感覚をすくい上げるには、自分の感覚を研ぎ澄ます必要があって、お二人はコレをやっているんですよね。
どちらも大切で、記事に応じてうまく使い分けられる人がWebライターとして活躍できるんだと思います。
「調べて書く」というシンプルな作業の中で、Webライターは「見極める・選ぶ・比較する」に多くの時間を費やしているんですね(編集部)。
記事のタイトルはどう作る?
記事のタイトル作成で意識していること、コツなど幅広く教えてください。
クライアントさんの機密情報に抵触しない範囲で!
(編集部)
私の場合、SEO※重視のクライアントからタイトル作成を学んだので、どうしてもパワーワードを含めるクセが抜けませんね。検索されそうな単語を優先してそれ以外を切り落とした結果、日本語としてちょっとヘンなタイトルに仕上がることもあって……。
※SEO:Search Engine Optimizationの略。検索順位を上げる施策として用いられる。
日本語としてどーなのそれ、っていうタイトルが検索上位に並んでいること、結構あります。SEOガッチガチだなあと思いながら見ていますけど。
SEOは確かに重要で、施策によって得られるメリットは沢山ある。でも、こだわりすぎると型通りのタイトル、同じようなタイトルばかりになるじゃないですか。
REMO-zine※では「SEOは意識しなくてOK」と言われているので、キーワードに縛られずナチュラルなタイトルが作れるなあと思っています。
※REMO-zineではライターさんがタイトルを作成し、編集側で微調整しています。
私はタイトル作成や記事構成作りがあまり得意ではないので、他の記事のタイトルを参考にすることが多いかもしれません。REMO-zineでもそうで、こんな雰囲気にしたいな〜って感じた記事のタイトルを参考にします。
編集する側として、過去記事のタイトルを参考にしていただけるのはとても嬉しいですね! マスダさんは執筆数が多い分タイトル作成数も多いですが、いかがでしょうか。
私もクライアントからSEOを学んだので、記事の構成はそれをベースにして考えることが多いです。
タイトルは執筆を終えてから作っています。記事の主題だけじゃなく内容もある程度伝わるように、記事を読み返してポイントになりそうな言葉を引っ張ってくるイメージです。
中山さんはSEO施策の最前線に立った経験をお持ちですから、タイトルは当然SEO重視で……?
クライアントのSEOノウハウ(手順や考え方・ツール)は全然取り入れていません! 長年やっている趣味系サイトでは「こんなSEOタイトルはダメだ!」のお手本みたいなの付けていますが、アクセスも順位もしっかりあって。
その記事が提供できる価値、をしっかり伝えるようには意識しています。
Webライティングでは欠かせないSEOの知識。独学だけでなくクライアントワークから学ぶかたが多い印象でした(編集部)。
REMO-zineの執筆テーマはどうやって決めていますか?
REMO-zineでは皆さんにテーマ選定を丸投げしています。
さて、執筆テーマはどんなふうに決めていますか?
日常生活の中で気になったことや、実体験ベースで考えています。最近こういうことがあったから記事にしてみよう、この前彼氏と喧嘩したから記事にしよう、とか。
そのおかげで素晴らしい記事ができあがりましたよね!
公開済みですか!? 読もっ……。
マスダさんは次から次へとテーマを提案してくださいますよね。その引き出しはどこにあるんでしょうか。
最初は「自分だからこそ書けることを書こう」って思っていたので、副業ライターをやってみたらこうだったとか、その頃の勤務形態が少し特殊だったのでそのあたりをテーマにしていました。
最近は実体験以外のテーマでも執筆なさっていますが、どのように決めているのでしょうか。
Web解析ツールを使って執筆のネタ・ヒントを探したことはあります。
あとは、たとえば「インボイス」とか、自分が知りたいこと・知識不足な部分をあえてテーマにして、勉強しながら執筆することもあります。知らないからこそ「書きます」と手を挙げるみたいな。
私が「読みたい」と思うテーマをマスダさんが片っ端から記事にしてくださるので、感謝しかありません……(最近執筆サボり中なので)。
necoさんは少し難しいテーマを提案してくださって、絶賛試行錯誤中ですね。
私も基本は体験ベースでテーマを考えますし、今回もテーマ自体は体験ベース※です。でも、中身については自分の体験だけで書くのが結構難しくて……。
自分はこういう体験をしてこういう考えです、でも一般的にはどうなんだろうかって考えてしまうし、他の方の考えを見聞きするたびに軸が揺れてしまってなかなか進みませんね。
※医療的ケア児を育てながらフリーランスとしての仕事をすることについて、執筆検討中です。
体験談や自分の考えを自由に書くといっても、誰かを傷付けるような内容、差別するような内容っていうのは避けないといけないし。自由に書くけれど、誤解を招く書き方とか誇張表現なんかをしっかり避けて納得性が高い記事を書くっていうのが、なかなか難しいですね〜。
※part2へ続く
編集後記
Webライターは資格・経験不要で「誰でもすぐに始められる仕事」と表現されることがあります。しかし誰でも「継続できる仕事」ではありません。
誰でもすぐ始められるから「代え」の人材がたくさんいて、努力を怠れば「代え」に先を越されてしまう。多くのWebライターが自信を失い、やめていきます。
今回参加した4名はWebライター・メディア系フリーランスとして年単位で活躍中です。
クライアントや取引先が「代えがいない人材」だと認めているから、本業があっても、出産を挟んでも、役職を降りても仕事が途切れないのでしょう。
フリーランスとして活躍するためのヒントを、本記事から探してみてくださいね。
さて、この座談会には続きがあります!
Webライターとしての悩みを抱えている人、フリーランスデビューを控えて不安な人が思わず「フフッ」と笑ってしまうようなネタも、もちろん真面目なお話も盛りだくさん!
座談会に参加してみたい方も募集しております! 下のボタンから問い合わせフォームをご利用いただくか、TwitterのDMにてお知らせください。