REMO-zineはリモートワーク(Remote-Work)に関する情報を集めたWEBマガジン(Web-Magazine)です。
しかし当サイトではリモートワークの他に「テレワーク」という言葉も使っています。一体どちらが正しいのでしょうか。何が違うのでしょうか。
実は両者に大きな違いはなく、REMO-zineは「どちらも正しい」と考えています。
リモートワークに似た言葉や関連する言葉は複数あり、ニュースやインターネットで見聞きする機会も増えました。
ではリモートワークとテレワークの違いはどこにあるのでしょうか。関連する用語の意味も併せて確認しておきましょう!
リモートワークとテレワークの微妙な違い
リモートワークはremote(遠隔地)で働くことを指しています。遠隔とは、何かから遠く隔たっている状態です。ではどこから・何から離れているのか。
会社に雇用されている社員が会社から離れて働く、と考えるのが一般的です。「会社」という仕事の発生源から離れた場所で働く、という意味ですね。
では会社に雇用されていないフリーランスはどうでしょうか。「クライアントや取引先」という仕事の発生源以外で働いていますので、やはりリモートワーカーに分類できます。
つまり、雇用形態によらず拠点から離れて仕事するのがリモートワークなのです。
テレワークはわずかに限定的で自由?!
テレワークのteleもまた「遠隔」という意味を持ちます。そのため、仕事の拠点や発生源以外で仕事をするリモートワークを「テレワーク」と表現しても間違いではありません。
違いがあるとすれば、テレワークは言葉の意味が明確に定義されている点です。一般社団法人日本テレワーク協会は「テレワーク」の意味を定めています。
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
一般社団法人日本テレワーク協会 https://japan-telework.or.jp/tw_about/
リモートワークもテレワークも「遠隔で働く」意味では同じですが、リモートワークに明確な定義はありません。一方テレワークは、遠隔かつ「場所が自由・時間が自由・ICTを使っている」の3点を定義しています。
違いはあっても使い分けられていない
例えば「9時〜17時まで仕事してください。場所は自由です」と指示が出たら、これはリモートワークです。「とにかく成果を出してください」であればリモートワーク・テレワークどちらも当てはまります。
「自宅で仕事してください」だとどうでしょうか。場所の自由度がないので、厳密にいえばリモートワークに該当する可能性が高いです。
「1日8時間働いてください」の場合は一見リモートワークに該当しそうですが、8時間を1日の中でどのように分配するかはご自身の自由ですから、リモートワーク・テレワークどちらも正解です。
国や自治体はリモートワークより「テレワーク」を使うことが多いですが、ニュースやインターネットでは明確な区分けがされていません。この使い分けについて、あまり神経質になる必要はないでしょう。
在宅ワークと在宅勤務は雇用の有無
働く場所が会社(や拠点)以外なら、すべてリモートワークです。そのため自宅で働く在宅勤務・在宅ワークもリモートワークに含まれます。
在宅勤務と在宅ワークの違いは、「勤務」かどうかです。
勤務は単に仕事をすることではなく、「雇用」された状態で仕事を遂行することを指します。そのため在宅勤務は会社員・派遣社員といった被雇用者の働き方だといえるでしょう。
在宅ワークは雇用の有無を問いません。つまり在宅ワークの中に在宅勤務が含まれています。とはいえ在宅ワークは自営業やフリーランスの働き方を指すことがほとんどです。
他にもあるリモートワーク関連ワード
仕事の発生源以外で働くリモートワークを深掘りすると、他にもさまざまな働き方が「言葉」で定義されています。また「働き方」と混同されがちな言葉もちらほら。
リモートワークに関連する言葉をいくつか挙げてみましょう。
モバイルワーク
スマートフォンやタブレット、ノートPCといった携帯型のデジタルガジェットを使う仕事がモバイルワークです。雇用の有無は関係ありません。
新幹線で移動中にパソコンを使って仕事をすればモバイルワークです。フリーランスがタブレットを使ってカフェで仕事してもモバイルワークです。
モバイルワークは2つの側面を持っています。
- 携帯端末を「持ち出して」仕事をする
- ちょっとした空き時間に携帯端末を使って仕事する
在宅でデスクトップPCを使って仕事している方が一旦仕事を終え、夕食の支度をしながらスマホでデータのチェック。これもある意味モバイルワークですね。
出社業務の休憩時間にスマホで仕事を進めるのも、広義のモバイルワークといえるでしょう。
ノマドワーク
ノマドワークもリモートワークの一種で、仕事場所の自由度の高さが特徴です。
リモートワーカーの多くは自宅で仕事をしていますが、ノマドワーカーはまるで遊牧民のように仕事場所を転々とします。ノマドとは「遊牧民」を意味する言葉なのです。
会社員のテレワークでも仕事場所を転々とすればノマドワークですね。
しかし実際はフリーランスのリモートワーカーを指すことがほとんどで、特に海外を旅しながら仕事を続けるフリーランスが「ノマド」と呼ばれるのをよく目にします。
サテライトオフィス
日本テレワーク協会の前身は「日本サテライトオフィス協会」だったのをご存知でしょうか。
サテライトオフィスとは、企業が社員のために用意する「遠隔地の仕事スペース」を指します。
イメージとしては「支店」「支社」「営業所」に近い存在ですが、経理や人事といった会社に必須の機能は含まず、あくまで「仕事するスペース」です。
サテライトオフィスなら使用料を気にせず済みますし、コワーキングスペースのような人の出入りもなく仕事に集中できます。
しかし使用頻度が低ければ管理・維持費ばかりがかさむため、最近はレンタルオフィスやシェアオフィスを活用する企業が多いようです。
ワーケーション
ワーク+バケーション=ワーケーション。比較的新しい言葉ですね。ワーケーションは働き方であり、過ごし方でもあります。
一般的には別荘地やリゾート地などゆっくり過ごせる場所で、休暇を取りながら仕事することを指します。ですからワーケーションはリモートワーク・テレワークであり、在宅勤務ではありません。
ワーケーションは、企業が「制度」として導入するケースが多く、どちらかというと会社員向けのリモートワーク形態です。
自分にピッタリの働き方を探そう
「働く場所や時間を限定しない働き方」そのものは以前からありました。わざわざ言葉を定義するようになったのは、働き方改革やコロナ禍が大きな要因でしょう。
さまざまな働き方が広く知られるようになったことで「リモート=捗らない」といったマイナスイメージは払拭されつつあります。
コロナ禍を抜けた現在も、子どもの看病や気象状況などを理由に在宅勤務を許可する企業もあるようです。
またここ数年でコワーキングスペースや「電源・Wi-Fiあり」をアピールするカフェが増え、フリーランスは仕事場の選択肢が豊富になったのではないでしょうか。
さまざまな働き方を一度整理して、自分はどのように働いていきたいのか、じっくり考えてみてくださいね。