私たちは日々の生活でたくさんの色に囲まれています。
普段意識することのない「色」、実は仕事にもさまざまな影響を与えていることをご存じですか?
今回は色がもつ力や仕事への上手な取り入れ方について紹介します!
色がもつ力とは?
色にはそれぞれのイメージや雰囲気、そして感情を喚起させる効果があるといわれています。
例えば『赤・オレンジ・黄色』であればリンゴやみかんなどの果実を連想させ、太陽の光と近い色であることから暖かさを想像させます。
一方、『青・水色・青紫』は水や夜の闇に近い色であることから、冷たい印象や孤独をイメージさせたり、スッキリした清涼感を感じることもあるのではないでしょうか。
色彩心理学の分野では、『色』は人の心理や行動に影響を与えるものとして分析されており、人に与える影響は色ごとに異なるといわれています。
色が仕事に与える影響
それぞれの色が人に与える影響を把握すると、おのずと色が仕事に与える影響も見えてきます。
いくつかの色を例にとり、色が人や仕事にどのような影響を与えているのか探ってみましょう!
赤色が与える影響
赤色は色の中で最も長い波長を持ち、交感神経に刺激を与えるといわれています。
一般的には情熱的なイメージであり、注意喚起に役立つ色としてさまざまなシーンで大活躍。
それ以外にも、気持ちをポジティブにさせたり、体温や血圧を上げたりする効果もあるそうです。
ビジネスシーンでも、赤は注意喚起やリマインドカラーとして使用されています。
忘れてはいけない重要な情報を赤ペンでマーキングする方は多いのではないでしょうか。赤を使うことで当該箇所を目立たせる効果があるのです。
また故障中や立ち入り禁止などは「危険」が一目で分かるように、赤色が多く使用されています。
赤色は目立つ色なので、何かをリマインドしたり、周囲の関心を引きたいときに役立つ色といえるでしょう。
注意喚起やリマインド・目立たせたいときに大活躍!
青色が与える影響
青色は赤色と対照的で気持ちを落ち着かせたり、集中力を高めたりする効果があるといわれています。
「爽快」や「冷静」の印象を与えることから、ビジネスシーンはコーポレートカラーとして使用されることが多い色です。
最近ではオフィスの会議室などの壁を青色に塗装しているオフィスがあります。筆者が以前勤めていた外資系企業も壁紙に青を使用していました!
「時間のロス」としてやり玉に挙がりがちなミーティング。青色がもつ「集中力アップ」効果を活用すれば、短時間で実りのある会議になるでしょう。
青色は誠実な印象を与える色でもあります。クライアントとの商談や会議の資料にさりげなく使用するのもお勧めです。
仕事に集中したいときにオススメ。ここぞ!の商談には青色を取り入れてみては?
緑色が与える影響
緑色はリラックス効果や疲労回復効果がある色だといわれています。
これらの効果は医学的に証明されており、筋肉や骨の細胞を作る力を促進したり、血圧を下げる効果があるそうです。
確かに、緑色には自然豊かな癒やしのイメージや緑野菜の健康的なイメージがあります。
心身ともに健やかでいるためには「緑」を活用したいですね。
ビジネスシーンで「緑」といえば、観葉植物ではないでしょうか。オフィスのストレス緩和を目的として観葉植物を設置する企業は数多くあります。
仕事の疲れを溜めないためにも、緑色を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
心身ともにリラックスしたいとき頼りになる緑色。まずはデスクに小さなフェイクグリーンを置いてみては。
白色が与える影響
白色は純潔や純真さを表す色として知られていますが、過去を清算してリセットする効果も持ち合わせています。
上手くいかないことがあると「この話は白紙にもどそう」という言葉が使われます。これは白色がもつリセット効果を表現しています。
また、白色はスッキリしたイメージや軽やかな印象を与えることから、オフィスの壁や床の色としても頻繁に使用される色です。
仕事で失敗してしまったら、白いシャツを着て心機一転がオススメ。
黒色が与える影響
黒色は暗闇・孤独・恐怖を連想させる色ですが、その一方で力強さや高級感・重圧感を演出する色としても知られています。
ビジネスシーンでは、社長室や重役のデスクには黒を基調としたものが多く使われます。黒色がもつ力強さの象徴だといえるでしょう。
また黒色はシンプル・スマートなイメージがあることから、手帳やスーツ・ビジネスバッグなどグッズの色として不動の人気を誇ります。
黒い文字の書類はフォーマルな印象。アクセントカラーを引き立てる脇役としても最適です。
仕事に役立つ色の上手な取り入れ方
色がもつ効果を意識すると、仕事にも効果的に取り入れることができます。
とはいえ、私たちは既に日常生活で無意識のうちに「色」の力を活用していることも……。
下記項目ではリモートワーカーの視点から、仕事環境への色の取り入れ方を紹介します!
バランスと使い分けが重要
仕事に色を取り入れるといっても、方法はたくさんあります。
職場の色(壁紙や床、デスク)を変えるという方法はありますが、かなり大掛かりです。また多くの方が活動する場ですから、極端な色使いはお勧めできません。
集中力をあげたいからといって、誰かが壁紙やデスク周りのものを全て青色にしてしまったら、あなたはどう感じるでしょうか。
青色が好きならともかく、そうでなければ逆に集中力を削がれるかもしれません。
青色は鎮静効果や集中力アップの効果があるものの、取り入れすぎると冷たさを感じさせ、悲しい感情を想起させることもあります。
「何事もバランスが重要」という言葉がある通り、仕事に色を取り入れる場合もバランスを見ながら進めていくことが大切です。
例えば、リビングなどの休憩スペースには緑色の観葉植物を多く配置して、作業スペースは白や青・黒などのシンプルで落ち着いた配色でまとめるのはいかがでしょうか。
使用目的や場所によって色を使い分けるとオン・オフの切り替えがしやすくなり、仕事の効率化にも役立ちます。
色の効果を仕事に活用したい時は、ぜひバランスと使い分けを意識してみましょう。
デスクスタンドや照明の色も効果的に活用しよう
「色が仕事に与える効果」を語るうえで欠かせないのが照明の光色です。
照明の色は一般的に「電球色」「温白色」「昼白色」「昼光色」に分かれています。
- 電球色:やや暗めの色ですが、落ち着きがあり、目に優しい色
- 温白色:電球色よりやや赤みを帯びており明るい色
- 昼白色:太陽に一番近い自然な明るさの色
- 昼光色:青味がかった明るい色で、集中力がアップするがやや目が疲れやすい
1〜4の順に徐々に光が強くなっていきます。
一般的なオフィスでは従業員の目や身体に与える刺激を考えて、休憩スペースは電球色、作業場は昼白色、会議室は昼光色など、場所や用途によって照明の色を使い分けているところが多いようです。
最近は光の色合いを自由に調節できるデスクライトや照明が販売されています。
時と場合によって照明の色を切り替えると身体への負担も少なく、作業効率も上げることにつながります。
なお、照明の色については以下の記事で詳しく解説しています!
身近で取り入れやすいカラーアイテム
仕事でさりげなく色の力を取り入れたい時、使用するアイテムは人それぞれです。
例えばネクタイやシャツ、手帳、デスク周りのアイテムの色を工夫することで、相手に与える印象を調整したり、自分の気持ちを高めたりできます。
デスク周りで色をアレンジしやすいアイテムが『付箋』です。
リマインドしたい内容は黄色の付箋、需要度の低い内容は青色の付箋など、付箋の色をうまく使い分けると業務の効率化に役立ち、ミスも防げます。
他にも、ペンケースやメガネケースなどの小物に「色の力」を取り入れるだけで、仕事のモチベーションアップにもつながるでしょう。
仕事にも心にも「色の栄養」を!
今回は色が仕事に与える影響を紹介しました。
人の眼は750万もの色を見分けることができるといわれており、名前が付いていない色もたくさんあります。
今回紹介した色以外にも、仕事に役立つカラーはまだたくさんあるはずです。
色がもつ効果をある程度把握しておくと、職場環境や日常生活のさまざまな場面で活用できます。
リモートワークをしていると自宅にこもりがちになり、外の景色・色と触れ合う機会が減っているのではないでしょうか。
業務効率化だけでなく気分転換も踏まえて、意識的に色の効果を取り入れてみましょう!