フリーランスの仕事や会社員の副業、主婦のお小遣い稼ぎとして、など幅広いニーズに対応できることから人気が高いデータ入力。
「簡単そう・誰でもできそう」というイメージを持たれがちですが、実際はそんなに甘くありません。
今回はデータ入力案件の受託経験を持つ筆者が、この仕事の良い面も悪い面も余すことなく解説します!
データ入力ってどんな仕事?
データ入力は言葉どおり、指定されたデータを指定された方法で入力する仕事です。
代表的な仕事内容を以下にピックアップしてみました。
単純データ入力
画像データを見ながら情報を抜き出し、その内容を入力する業務です。
データの内容はさまざまですが、領収書・名刺・名簿などがよく見られます。
データまとめ
単純データ入力のひとつです。調査結果やアンケートの内容を入力します。
WordやExcelのほか、専用フォームを使用することもあります。
文字起こし
音声・動画データを視聴し、聞き取った内容を文字にします。「テープ起こし」とも呼ばれる業務です。
聞いた内容をそのまま文字にする「素起こし」や、文章を読みやすく整える「整文」などが含まれます。
リサーチ
指定されたテーマに沿って、インターネット上で情報を収集します。画像の貼り付けなど、文字入力以外の作業が発生することも。
また、入力データの種類によって作業内容が少しずつ異なります。
データ入力の案件の取り方・報酬形態
案件を受託するうえで、やはり報酬額は気になるもの! 提示されている条件が適正か否か、自分で見極める目を持つ必要があります。
まずはデータ入力案件の取り方と、多くの人が気になる報酬形態を見ていきましょう。
データ入力案件の取り方
データ入力の案件の探し方は、以下の方法が一般的です。
- クラウドソーシングサイト
- 求人サイト
クラウドソーシングサイトには、数多くのデータ入力案件が掲載されています。
音声・動画データの文字起こしや通販サイトの出品補助、指定情報のリサーチなど業務内容はさまざまです。
1つのサイトにこだわらず、まずは受注のハードルが低い案件から始めてみるのも一つの手。空いた時間で在宅ワークができる【Bizseek】 は比較的案件が取りやすいサイトとして知られています。
また求人サイトにも案件が掲載されていますが、なかにはパートやアルバイトとして雇用契約が必要な求人もあるので、応募前に契約形態を必ず確認してくださいね。
データ入力案件の報酬形態と相場
残念ながらデータ入力の多くは低報酬です。作業単価は案件によってばらつきがありますが、相場は以下のとおりです。
- 作業単価
- 入力作業件数あたりの報酬
- 件数
- 数円〜50円/件
- 文字数
- 0.01円〜1円/文字
- 時間単価
- 1,000円/H程度
雇用契約の報酬形態は時給が一般的ですが、業務委託契約ではほとんどが作業単価制です。
作業単価の場合、どんなに頑張って作業しても時給に換算すると最低賃金の半額以下になることも少なくありません。
収入アップを目指すには
作業単価制のデータ入力で収入を増やしたいなら、とにかく量をこなすしかありません。
- タイピングスピードを上げる
- 効率のよい方法を探す
これらの2つのポイントを意識するだけでも作業量に差が出ます。
また、クラウドソーシングよりも求人サイトの案件の方が報酬が高めな印象です。
求人サイトでは即戦力が求められるため、ある程度のスキルがないとそもそも受託できない可能性はありますが、経験がある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
データ入力に必要なスキル・能力
作業量に応じて報酬が決まるデータ入力では、タイピングの速さが効率化のカギを握ります。またExcelなど汎用ソフトの扱いに慣れていれば入力もスムーズです。
とはいえ、これらのスキルがなくても仕事は受注できます。ほとんどの案件は、基本的なパソコンスキルが備わっていれば問題ありません。しかし「誰にでもできる仕事」でもないのです。
スキルから少し離れ、データ入力に必要な能力をご紹介します。
忍耐力
入力するデータによって差はあれど、この仕事の多くは単純作業の繰り返しです。
そのため、変化が少ない単調な作業に耐え得る忍耐力が求められます。
丁寧さ
気を抜かず丁寧にこなす力が求められます。どんな仕事をするにも必要な力をあえて挙げたのは、データ入力には高い正確性が求められるからです。
単調な作業を淡々と進めるなかで「飽きた……」と思っても手を抜かず、コツコツ丁寧に作業を積み重ねる力が求められます。
マニュアルどおりに作業する力
クライアントが指定したとおりに仕上げることが重要であり、納品物に「オリジナリティ」は必要ありません。
さきほど「高い正確性」と書きましたが、データの正確性はもちろん先方の指定を正確に捉える・レギュレーションを正確に読み取る能力も必要なのです。
溢れ出る創造力は「いかにして仕事の効率を上げるか」を考えるために使いましょう!
データ入力|おすすめポイント・おすすめできないポイント
筆者は現在、画像データから読み取った情報を入力する単純データ入力を受託しています。
データ入力を受託し始めて約半年ほど(2023年7月時点)ですが、そのなかで見えてきたおすすめポイント・おすすめできないポイントをご紹介します。
データ入力のおすすめポイント
- 隙間時間にできる
- 頭の切り替えに役立つ
手持ちの案件を納品し終えた時。次の予定までの空き時間。データ入力は「突然手が空いた」タイミングにサッと取り組めるのが大きな魅力です。
特に子育てフリーランスの筆者にとっては最大のメリット!
子どもがいつもより長く昼寝をしている時や家事が早めに終わった時など、すかさずパソコンを立ち上げてデータ入力に取り組んでいます。
またこの仕事には「頭よりも手を動かす」という特徴があります。
たとえば筆者が受託しているWebライティングは「手よりも頭を動かす」時間が多く、データ入力とは対照的です。
この違いをうまく活用し、執筆に行き詰まったらデータ入力で頭の中をリセット、すっきりしたら執筆再開、と切り替えることで効率アップにつなげています。
データ入力と対になる仕事を受託している人にはおすすめです!
データ入力のおすすめできないポイント
- 単価が安い
- 案件獲得までの競争が激しい
筆者が見てきた案件の多くは低単価でした。お金をたくさん稼ぎたい人には向いていません。
また特別なスキルを要さない案件は人気が高く、クラウドソーシングでは応募が殺到している様子を頻繁に見かけます。
つまり「データ入力の仕事をしよう!」と決めても、そもそも案件を獲得できない可能性があるのです。
仕事を受託して感じたこと
筆者は現在、育児優先で仕事をセーブしています。抱えている案件が多くないので、急に手が空くタイミングが多々ありました。
「この時間がもったいない! 何かできないか……」と考え、案件と案件の隙間を埋められるデータ入力の仕事を始めました。
隙間時間を活用できる働き方は子育て中のフリーランスにピッタリですが、良いことばかりではありません。
とにかく単価が安いので、隙間時間の稼働ではまとまった収入を得にくいのがデメリット……。当初は「割に合わない」と悩んだこともありました。
それでも、突然発生した隙間時間を「生産性0」で過ごすのか「収入増」に充てるのかは大きな違い。筆者は迷いなく後者を選びました。
もちろん現在も報酬面に不満はあるものの、「ライフスタイルとのマッチング」に対する満足度が不満を上回っているため継続できています。
データ入力でスキルアップも目指せる!
データ入力は特別な資格やスキルが不要で、未経験でも始めやすい仕事です。
長く続けていけばパソコンスキル・タイピングスキルの向上が見込めるだけでなく、効率化を考えるのが上手になったり集中力が身についたりするかもしれません。
仕事内容も幅広いので自分に合う案件がきっと見つかります。少しでも興味がある人は、ぜひ挑戦してみてください!