筆者はかつてメディア運営企業のディレクターとしてたくさんのフリーランスと関わってきました。
その多くが「副業フリーランス」、つまり本業の傍らフリーランスとして仕事をしている人々でした。
かくいう筆者も、元副業フリーランス!
今回は自身の経験や、これまでに出会った副業フリーランスたちの特徴から、副業フリーランスとして活躍するために必要なことを考えてみます。
自己管理能力は必須条件
フリーランスになると、すべてが自分次第。
会社のように、勤務時間を管理するシステムはありません。仕事内容を管理したり調整したりしてくれる上司もいません。
だからこそ問われるのが、自己管理能力の高さです。
今回は筆者が考える「自己管理能力」を、3つのポイントに絞って紹介します。
作業時間の確保
本業後に疲れて帰宅したら、大好きなお菓子を食べながらテレビでも見て、ダラダラと過ごしたくなりますよね。
しかし副業フリーランスが稼働できるのは、本業の前後や休日のみ。
つまり本来なら労働から解放されて自由であるはずの時間に仕事をするしかない、ということです。
特に駆け出しの副業フリーランスにとって、作業時間の確保は最重要項目と言っても過言ではありません。
副業を始める=自分の自由時間が犠牲になる、という覚悟を持つ必要があります。
稼働可能時間の把握
請け負った案件を確実にこなすため、自分が1日あたり/1週間あたり/1か月あたりにどの程度副業のために時間を確保できるのか、おおまかに算出しておきましょう。
そもそもフリーランスは、仕事の量や単価次第で得られる収入が大きく変動します。
だからこそより高い報酬を得るために、つい新しい案件に飛びつきたくなってしまいがち。
しかし案件を詰め込みすぎてしまうと、キャパオーバーになりかねません。
無理なく稼働できる時間を把握することでキャパオーバーを防げるだけでなく、既存案件と新規案件を見比べて受注可否を適切に判断できるようになります。
実績を積むため、そして収入アップを目指すために数をこなすことも必要ですが、稼働時間が限られている以上、その範囲内で最大のパフォーマンスを発揮できるように調整することも必要なのです。
本業とのバランス感覚
自分の自由時間をすべて副業に注ぎ込んでも構いませんが、キャパシティを超えて詰め込むことだけはNG!
- 今週は本業が忙しかったから副業はセーブしよう
- 今月は本業が落ち着くから副業を多めにやろう
あくまでも本業が中心で、副業に使うのは余った時間・余ったパワーだけにすることが大切です。
安心して副業にチャレンジするためにも、本業という軸は動かさないようにしましょう!
経済的・精神的余裕
フリーランスになったからといって、すぐに稼げるわけではありません。
たとえばスキルなし・経験なしという人が副業フリーランスになろうとした場合、まずは勉強してスキルを磨いたり、クラウドソーシングサービスや求人サイトで案件を探したりする準備期間が必要です。
もちろんこの期間中は、報酬が発生しません。
さらに、きちんと準備を整えて仕事を始めたとしても、すぐに稼げないのがフリーランスの難しさ。
- そもそも作業単価が安い
- クラウドソーシングサービスの手数料で引かれる
- 仕事を完了させるまでに時間がかかる
このような理由から、最初のうちは時給換算すると数百円程度になってしまうことも……。
作業時間に対して手元に入るお金が少ないため、ここで心が折れてしまう人もたくさんいます。
しかし副業フリーランスの場合は本業の収入がありますから、副業で稼げなかったとしてもすぐ生活に困るわけではありません。
収入が安定していれば不必要に焦ることもありませんし、心にも多少は余裕を持てるでしょう。
経済的、そして精神的にも落ち着いた状態で仕事と向き合えるのは、副業フリーランスの強み。
この強みをうまく利用して丁寧に仕事をこなしていけば、少しずつ活躍の場を広げられます。
案件探しは以下の記事をぜひ参考に!
責任感を持つ
これまでに出会った副業フリーランスの大多数がきちんと仕事をこなしてくれた反面、なかには音信不通になったり納期を守らなかったりと、適当な対応をする人もいました。
同じ副業フリーランスなのに、なぜこのような差があるのか。
おそらくこの差を生んでいたのは、「フリーランスとしての責任感の有無」でした。
もちろん本業の優先度が高くなるのは当然のことですが、だからといって本業を言い訳にすると絶対にうまくいきません。
手を抜かずきちんと最後までやり遂げる。そんな責任感のある人だけが、副業フリーランスとして活躍できます。
「仕事ができる人」に見せる
フリーランスはオフィスワーカーのように、働きぶりを直接見てもらう機会がありません。
しかし「ありのままを見せられない」からこそ、「都合のいいように見せられる」のです。
ここからは筆者が副業フリーランス時代に実践していた「自分の見せ方」をご紹介します。
クライアントや案件によっては当てはまらない場合もありますので、ご注意ください。
納期には余裕を持たせる
納期を自分で設定できる仕事では、毎回「かなり」余裕を持たせて設定していました。
目安は、自分が「確実にできるだろう」と感じるラインから、さらに数日先。
大きなトラブルなくいつも通りに仕事をすれば100%「かなり」前倒しで納品できるので、クライアントに「この人はいつも余裕を持って仕事をしてくれる」というプラスの印象を与えることができます。
また体調不良や本業の都合など不測の事態が起こった場合でも、「かなり」余裕があるので納期に遅れる心配もありません。
副業だからこそのリスクヘッジもできるので、一石二鳥の方法です。
100%超の達成率を目指す
筆者は記事の校正に携わっていたことがあるのですが、毎月「1か月で何件こなせるか」という目標数を申告する必要がありました。
ここでも「確実にできるだろう」という数より少なめに申告していたため、毎月の達成率は常に100%超え。
このおかげで、毎月確実に成果を上げるディレクターとしての信頼を獲得できました。
ただし「やる気がないのでは?」と思われかねない低すぎる数値設定は逆効果。信頼を失くしてしまうので注意しましょう。
できることを提示する
仕事を依頼されても、すべてを受注できるとは限りません。
たとえば本業が繁忙期で副業の時間を確保できないために、断らざるを得ないときもあるでしょう。
ここで大切なのが、「できなくても前向きな姿勢を見せること」です。
- (その週だけたまたま立て込んでいた場合)来週以降は稼働時間を確保できる
- (作業の数を指定されたとき)10はできないが、半分の5ならできる
- (先方が提示した納期に間に合わない場合)◯日まで時間をもらえれば対応できる
できないものは仕方ありません。
ただそこで断るだけでなく、その仕事に対する前向きな気持ちを添えるだけで、クライアントに与える印象が変わります。
ちょっとした印象の差が、次回以降の案件獲得に繋がることもありますよ!
以下の記事でも「お断り」が与える印象を紹介しています。
副業フリーランスとして活躍するには
近年、政府が推進している働き方改革。
この一環として「副業・兼業促進に関するガイドライン」が策定されたほか、企業が副業を解禁したり、多様な働き方が認められるようになってきたりと、様々な変化が起こり始めました。
またこれによって「副業」や「フリーランス」への注目度も年々高まっており、副業フリーランス人口は今後ますます増えると予想されます。
そのなかで活躍するためには、以下の3つが重要だと考えます。
- 自分を上手にコントロールする
- 当たり前のことにも丁寧に向き合う
- 自分の見せ方を知る
ひとつひとつは些細なことかもしれませんが、これらを積み重ねることで本業でも副業でも長く活躍できるでしょう。