リモートワークで求められる自己管理とは|自己管理できる人・できない人の差を現役フリーランスが解説

各地で「在宅勤務終了のお知らせ」が流れ、都市部の通勤電車は「超過密」という名の日常を取り戻しつつあります。

とびっきり過剰な密。三密回避はどこへやら……ですね。

出社回帰の流れの中で、在宅勤務可能な企業への転職やフリーランス転身を検討するかたが増えているようです。

大きな一歩を踏み出す前に、今一度「自己管理能力」について考えてみませんか。

コロナ禍以前からリモートワークを続けている筆者は、さまざまなリモートワーカーと接してきました。

仕事ができるリモートワーカーは自己管理能力が高く、たとえ有名企業のリーダークラスでも自己管理能力が低い人は周りに迷惑をかけ続けます。

リモートワークで求められる自己管理能力と、能力が高い人・低い人の特徴を挙げてみましょう。

リモートワーカーに必要な自己管理能力

行儀が悪いリモートワーカー
https://unsplash.com/photos/3iPKIXVXv_U

自己管理能力は出社業務においても求められます。ただ、出社時に求められる自己管理能力と、リモートワークで求められる能力は全く同じではありません。

また自己管理=時間管理・タスク管理とされる傾向ですが、必ずしもそうではありません。

まず、会社員が出社して働くにはチームワークが必須。実はチームワークも「自己管理」に関与します。

これに加えてリモートワークでは、ひとりで働く力が必要です。

一見矛盾した2つの働き方が、同時に求められます。

さて、在宅の中途採用を行っている企業は、フルリモートで仕事を任せてもある程度「自己管理できる」だろうと見込んだ人を採用します。

高い信頼と期待がかかっていることは間違いありません。それを裏切ることがあれば「やっぱり出社して」と言われる可能性があります。

フリーランスの場合は、できない人を育てるより、できる人に依頼したほうがはるかに効率的ですから、自己管理不足を指摘されることもなく仕事と信用を失います

  • ひとりで仕事を遂行する能力
  • チームを意識して働く能力

雇用・非雇用にかかわらず、リモートワークを継続するならどちらも十分備えておきたいですね。

POINT

リモートワークで仕事を任せる=信頼を得ている!大事にしたいです。

ひとりで仕事を遂行する能力

封筒の中身を確認
https://unsplash.com/photos/nC3NfEyA1OY

リモートワーカーは基本的にひとりで仕事します。ビデオ会議やミーティングがあっても、その他の業務は黙々と、ひとりで行います。

このとき求められる自己管理能力は、自らを律する能力や人に頼り過ぎないこと、自己判断力です。

自らを律する

腕時計
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こう書くと堅苦しいですが、要するに「ズルしない」力ですね。たとえば時間管理能力が該当します。

社員の場合、会社が定める始業・終業時刻を守ること。コアタイム有りのフレックス制ならコアタイムを守ること。

フリーランスは始業・終業が自由ですが、筆者の周囲のフリーランサーは、おおよその稼働開始・終了時刻を決めているようです。

自らを律するという点でよく挙がるのが、リモートワーク中の「サボり」ではないでしょうか。

人間はラクな方へ流れていくもの。それ自体は何ら問題なく、便利ツール・効率化ツールを生み出す原動力でもあります。

しかし「サボり」はラクするために人を欺いて仕事を放棄する行為。誰の役にも立たない給料泥棒です。

リモートワークの「サボりやすさ」に魅せられて転職や転身を希望しているかたは、たとえ転職できても活躍は望めないでしょう。

サボり・手抜きは全て仕事の結果に現れます。不思議なものです。

人に頼りすぎない

顔を覆う
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頼ったほうがいい場面は必ずあります。あくまで頼り過ぎないことが大切です。

転職したばかりなら、企業独自のやり方やツールの使い方・ルールを知っているはずがありません。

いくら考えてもわからないことは、いつまで考えても答えが出ませんから、人に頼るべきです。

では一般的なこと、たとえばExcelの使い方やPCの不具合はどうでしょうか。

筆者は業務でスプレッドシートを使っています。Excelしか使ったことがないかたはデータ入力ができても、シートの共有や権限付与の部分は「?」かもしれません。

しかしネット検索すればやり方はわかります。調べたけれどわからなかったならサポートします。

調べずにマルっと質問するかたが、実は少なくありません。

頼ったほうがいい場面と、自分で解決すべき場面を見分ける能力が必要だと感じます。

自己判断力

その場で画面共有
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リモートワークでは自己判断力が重要!

というのも、判断に迷ったとき上司やクライアントに相談しても、すぐにレスポンスがくるとは限らないからです。

ただし、業務によっては勝手な判断によって後々大きなトラブルを招くこともあります。

初めての業務、初めてのクライアントなら、不明点が出たときの対応について予め合意を得ておくといいですね。

合意を得ておこう、という判断もまさに自己判断。

なお以下の記事で、質問回数と信頼度・自己判断力について記載しています。

チームを意識して働く能力

https://pixabay.com/images/id-766045/

フリーランスで起業し、自分ひとりで仕事しているならチームを意識する必要はありません。

雇用契約の会社員や業務委託のフリーランスは、チームの一員としての意識が求められます。

この意識が高い人は納期・締め切りを遵守し、低い人は納期・締め切りを破りがちです。

また後者は仕事の進め方を勝手に変えたり、その報告がなかったりして、チーム全体のスケジュールにダメージを与えることもあるのです。

チームを意識している人は、リモートワークで見えにくいことを「見える化」し、ホウレンソウや共有を欠かしません。

POINT

自分の働きやすさだけを求めていると、チームワークから外れていく可能性も……。

自己管理能力が高い人・低い人の差

連絡を確認する男性
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自己管理能力が高い人は、自己管理の目的を知っています。あるいは目的を常に考えています。

時間や納期を守るのは何のためなのか。わからないことを自分で調べるのはなぜなのか。

自分や同僚、クライアント、企業にとってプラスになることを理解しているから、「自己管理しなければ」と思うより先に自己管理できています。

一方、自己管理能力が低い人は、なぜ自己管理が必要なのか理解できていないか、考えていません。

その結果、納期を守らず周囲を困らせ、不明点は丸投げで周囲の時間を奪う。

「あの人は出社させたほうがいいのでは」と上司が話し合っているかもしれません。

会社員は、理不尽な要求でない限り出社要請に応じる必要があります。

在宅勤務を希望して転職したのに、自己管理不足で出社……となるリスクがあるんです。

自己管理に自信がなければ転職前にひと呼吸

考える人
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昨今、転職サイトでは「在宅勤務」というキーワードで検索する人が増え、在宅勤務の特集ページが組まれています。

コロナ禍の在宅勤務が肌に合ったかたは、リモートワーク主体、あるいは働き方が選択できる企業(ハイブリッド)に魅力を感じているようです。

コロナ禍以前から在宅勤務を認めていた企業は、リモートワーカー管理の仕組みが整っており、転職後スムーズに業務が開始できます。

一方、コロナ禍を機に在宅勤務を導入した企業の中には、勤怠管理や補助制度、各種ツールの整備がまだ甘い企業もあります。

自己管理能力に自信がないまま後者の企業に転職すると、働きにくさを感じるかもしれません。

在宅勤務中の社員のコメントや在宅勤務の管理状況、浸透状況など幅広く確認し、納得したうえで転職を検討したいですね。

自己管理能力は意識で高まる

Webデザイン
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自己管理能力とよく似た言葉に「自制心」があります。字が示す通り、自らの欲を抑える「心」です。

ラクしたい、今日は仕事したくないという「心」を「心」で制するのはとても難しく、うまくいかないことがあります。

できるだけ自己「管理」にもっていけるよう、リマインダーやチェックリスト、メッセージテンプレート、タイマーといったツール・システムを活用しましょう。

また、ある程度知りたがりになることも自己管理のコツです。

不明点は自分で調べ、同じように困っているかたに教えてあげる。状況が知りたいけれど見えない業務があれば、見える化の方法を考える。

すべての業務を自分ごととして捉え、自分から巻き込まれに行く姿勢でいれば、きっとうまくいきます!

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一帖半執筆工房代表。
フリーランスに転身後、ライターからエディター・マネージャー・GMに至るまで全てリモートワーク。
現在は企業のコンサルやディレクション、グラフィックデザインなど幅広く受託。
趣味は写真撮影とRAW現像とデジタルガジェットを見てニヤニヤすること。

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