2020年後半、心身の状態も把握できないほど働き詰めだった筆者は、2021年の三が日を過ぎて年賀状を書きながら「今年こそは」と誓いました。
2021年は自分を優先する!
考え方・身の回りの物・行動を再考した結果、2021年はリモートワーク生活5年の中でもっとも充実した1年になりました。
リモートワークを楽しく、快適に、より充実させてくれたコト・モノ3つを厳選してご紹介します!
入力が楽しくなるキーボード
リモートワークではキーボードに触る時間が長くなります。
今までは口頭だったひと言がチャットになり、会議の手書きメモはPCのメモアプリ。ホウレンソウもすべてテキストベースです。
長時間使ううえ物理的に叩き続けるキーボードは、我が家で一番のハードワーカーかもしれません。
2021年のリモートワークを支えたモノとして、真っ先にキーボードが思い浮かびました。
打鍵しやすく疲れにくいプログラマー仕様
筆者は過去3年でキーボードを5回買い替え、5回目で現在の静電容量無接点キーボード購入に踏み切りました。踏み切る、なんて大げさな表現ですが、さすがに5桁プライスのキーボードを買うのは勇気が要ります。
それでも「これは投資だ」と納得できる使い心地で、使うのが楽しくなるキーボードです。
静電容量無接点キーボードの多くはプログラマーが使うことを前提に作られており、打鍵の強さに応じてスプリングを交換したり、ゴムリングをつけて静音性を高めたり、キーキャップ交換したりと高い拡張性があります。
また軽い力で入力できるのがこのキーボードの特徴で、明らかに腕や手首が疲れにくくなったと実感できます。またWebミーティングで気になっていた打鍵音も軽減できました。
トラブルが起きにくい・修理しやすい
静電容量無接点キーボードは物理的なスイッチ構造がなく、致命的な故障が起きにくいとされています。またチャタリング(rrrrrrrrrのような連続誤入力)も起きにくいそうです。
不具合が起きたキーだけ交換すれば元通りになることが多く、長く使い続けられます。
筆者の使用環境では無線の混線によってチャタリングが起きるため、無線・有線・USBドングル接続すべて可能なNiZ plum68(販売終了)を購入し、適宜使い分けることにしました。
※以下は84鍵タイプです。
とにかく省スペース
NiZ plum68はファンクションキーやテンキー・特殊キーがない「60%キーボード」と呼ばれるタイプで、幅30cm強×奥行き11cmのミニサイズ。狭い机で使うには最適で、ペンタブレットと縦並びにしても邪魔になりません。
狭いスペースでリモートワークを行う筆者には欠かせないアイテムです!
思考整理ノート
雑談というアウトプットの場がもてないリモートワークでは、ふと思い付いたアイディアを自己否定して忘れたり、心のモヤモヤから目を背けたり、自分の内側にさまざまなものをため込んでしまいます。
2020〜2021年にかけてクライアントのオフィスに出社する日が増え、帰宅後も含め1日15時間近くPCに向かっていました。
やりたいこと・アウトプットしたいことはあるのに向き合う時間がなく、このままでは心身共にパンクしてしまうと焦り始めた私を救ってくれたのが、思考整理ノートです。
書き方のルールは決めない
使うペンはバラバラ、書く向きは縦だったり横だったりします。書き方のルールは決めず、自分が読めればミミズのような字でもOKとしました。
ノートは取材に使っていたもので、LIFEのノーブルノートです。ノート自体汚れていますし、取材中の書き込みはもはや筆記体のような乱暴さ。それに合わせて気兼ねせず殴り書きできました。
感じていること、不満、不安、今の業務と所要時間。漠然としていたものを見える化するだけで、やるべきこと・優先すべきことが途端にクリアになるから不思議です。
見える化するまでは自分でも見えていなかった物事を、リモートワークで周囲に「察してもらう」なんて無理な話。自分が動かなければ何も変わらないのだと、殴り書きの文字が教えてくれました。
「筋書き」で自信が持てる
フリーランスといえど社員に近い働き方をしており、なおかつ先方の社長と直接やり取りすることが多く、意見も要望も伝えられない上下関係がありました。
しかし上下関係「のせい」にしているだけで、相手の社長を納得させる自信があれば一歩踏み出せるのではないかと考えたのです。
そこで、客観的事実をノートに書き出し、そこを出発点に論理的な筋書きを作り、自分の考え方に間違いがないことを確認しました。その結果、自信を持って要望を伝えられたのです。
また一緒に働く仲間のタスク過多が気になったときも、まずは事実を確認し、書き出していきます。
「仕事量が多すぎるような気がします」ではなく「○時間では終わらない仕事量です」と事実を伝え、改善提案を受け入れてもらえるようになりました。
こうした作業はリモートワーク中に一人でこっそりやりたいもの。隙間時間を5分作れば、5分間の自分会議ができます。
「毎日書かなければ」という日記のようなノルマ感がないから、続けやすい!
報酬や肩書きを捨てる決意
2021年のリモートワークを支えた一番の要素は「捨てる決意」です。
思考整理ノートで明確になった「やりたいこと」をクライアントに伝え、一度は契約を終えることになったのですが……。諸事情で「部長」という肩書きを与えられ、夫の月収を超える報酬額を提示されました。
思考整理ノートのおかげで意見が通りやすくなったこともあり、一度は引き受けましたが、やはり数ヶ月後には「捨てる」決意をしたのです。
リモートワークを理由にした報酬設定に疑問
提示された報酬は「評価」ですから、本当にうれしいものでした。あと1年ぐらい続けてから考えようか、なんて思ったぐらいです。しかし……。
「リモートワークだとしても○○万円は出しますよ」
こう言われて一気に熱が冷めました。その差はなんと20万円。
リモートワークを理由に報酬が20万円も下がるのはなぜでしょうか。結果主義を謳う企業が当然のごとく言うのを聞いて、ショックを受けました。
同時に、自分がリモートワークに対して高いプライドを持っていることに気付いたのです。
後任育成がひと段落したタイミングで高額な報酬と肩書きを捨て、月額報酬3万円で再スタートを切りました。
リモートワークのメリットを実感できた
時間に余裕ができ、自分の興味・関心に向き合えるようになりました。プログラミングの独学や趣味の情報発信、なかなか時間が割けなかったサービス運営にも手が回るように。
そうこうしている間に新しいクライアントワークが決まり、サービスの受注は過去最高となり、いろいろなことが少しずつ軌道に乗り始めたところで2021年を終えることができました。
リモートワークは部屋の中にいながら複数の作業ができます。移動時間がない分、手を動かす時間を多く取れるのはリモートワークの大きなメリットです。
これを求めて肩書きを捨て、捨てたからこそリモートワークを楽しく継続できています。
限りある時間をどう使い、何を生み出したいのか。今一度考えたいですね。
まずは手近な「モノ」から!リモートワークを格上げしよう
「リモートワーク=オフィス以外で仕事すること」という考えでは、いつまで経ってもリモートワークがうまくいきません。オフィス業務をそのまま自宅に持ち込んでも、生産性は上がらないと常々感じています。
オフィス業務をリモート環境にフィットさせるために知恵を絞るのは、本来なら上司や上役の仕事なのでしょう。
しかし残念ながら、こうした方々が続々と「生産性が上がりません」と書いた白旗を揚げている状況です。
ですから会社員は組織に頼らず、フリーランスはクライアントに頼らず、仕事しやすい環境を自分で作っていく必要があります。
机に向かいたくなる椅子、隙間時間を作りたくなる通信講座、分厚い愚痴ノート、高級ヘッドホン……。まずは「モノ」で自分を釣ってみてはいかがでしょうか。
在宅とオフィスのハイブリッドワークを取り入れる大手企業が増えており、今後は中小企業にも広まっていくと予想されます。
今のうちに快適なリモートワーク環境を作っておけば、悪天候、パンデミック、突然のトラブルに慌てることなく、いつも通りに仕事が進められますよ!