フリーランスと住宅ローン|契約前にやるべきことやおすすめの住宅ローンをご紹介します

会社員と比べて社会的信用度が低いフリーランスは、お金の貸し借りに関連する審査に通りにくいといわれています。

たとえば以下の記事では物件の賃貸契約の難しさについてご紹介しました。

では物件を「借りる」のではなく、「買う」場合はどうなのでしょうか。

  • フリーランスだと住宅ローンの審査に通りにくい?
  • 契約するために必要なことは?

など、フリーランスと住宅ローン契約にまつわる様々な疑問を解決しましょう!

フリーランスでも住宅ローンは組める!

住宅ローン
https://unsplash.com/photos/OHS6jMpuUnM

フリーランスでも住宅ローンを組むことは可能です。

ただし収入の浮き沈みが激しく不安定なため、会社員に比べると審査の通過は難しいとされています。

とにかく「安定性」が求められる

たとえばローン審査で参考にする収入の「期間」を、会社員とフリーランスで比べてみましょう。

  • 会社員:前年度の収入
  • フリーランス:直近数期分の確定申告書の提出(3期分が通常)

すべての銀行のローン審査に当てはまるわけではありません。

フリーランスの場合、とにもかくにも「事業が安定的に継続しているか」の判断が重要視されます。

なお、審査基準は銀行によって異なります。

フリーランスのローン審査あれこれ
  • 1期でも赤字があればNG!
  • 3期分の平均所得で審査
  • 3期中最も低い所得で審査 など

フリーランスの住宅ローンは想像以上に厳しい…

フリーランス初年度から事業が好調でも、それが翌年・翌々年以降継続するとは限りません。

つまり、以下のような判断は通用しない可能性があるのです。

  • フリーランス初年度で年収1,000万円を超えたから住宅ローンを組もう!
  • 前々期は赤字だったけれど、前期は黒字になったから住宅ローンを組もう!

安定収入が証明できない以上、フリーランスのローン審査は厳しい、そして最低でも3年は事業を継続していないと審査に通りにくい、というのは確実でしょう。

住宅ローン検討中のフリーランスが知っておくべきこと

https://unsplash.com/photos/rgJ1J8SDEAY

会社員よりも厳しい審査を通過しなければ、住宅ローンを組めないフリーランス。

少しでも審査通過の可能性を上げるためにできることをご紹介します。

働き方に関係なく住宅ローン契約時に必要なこと

https://unsplash.com/photos/G-Aj03ckq0w

会社員でもフリーランスでも、住宅ローンを組むなら以下の3点を頭に入れておきましょう。

住宅ローン契約時に必要
  • お金のトラブルはNG
  • 頭金を用意する
  • 健康状態に問題がない

お金のトラブルはNG

契約者の支払い能力や信用度を判断するうえで、お金に関連するトラブルの有無は重要な要素です。

クレジットカードや携帯電話料金の支払い、税金や保険料を滞納していると、審査で不利になります。

また借金がある場合も、審査においてマイナスになります。

借金の理由がギャンブルでも自動車購入ローンでも関係なく、借入がある時点で審査に影響することを覚えておきましょう。

POINT

完済できる借入は完済しておきましょう!

頭金を用意する

借入希望額と収入額が離れれば離れるほど、審査通過が難しくなります。

もし高額な借入を希望するなら、頭金も多めに用意したほうがいいですね。

頭金が多ければ銀行からの借入額は少なくて済みます。

頭金が多いメリット
  • 物件の選択肢が広がる(高い物件も検討できる)
  • 利息の支払いが減る
  • 返済期間を短くできる

物件の購入金額の高さが理由で審査時に不利になることもなくなる、というわけです。

健康状態に問題がない

住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険への加入を必須としている銀行がほとんどです。

団体信用生命保険とは

万が一病気やケガによってローン返済ができなくなってしまった場合備える保険制度。

保険金を残債の支払いに充当できる。

これに加入していると、万が一のことがあっても契約者の家族に返済負担がかかりません。

団体信用生命保険は「生命保険」ですから、契約者本人の健康状態によっては加入できないことがあります。

その場合は住宅ローン契約自体も危うくなってしまうのです。

節税対策がローン審査で不利に?!

マスクをした豚の貯金箱
https://unsplash.com/photos/TAyKlj_PZxk

所得控除や経費申告で課税所得をなるべく低くする、という節税対策を取っているフリーランスは多いでしょう。

たしかに手取り額は増えますが、住宅ローン審査においては節税対策がマイナスに働く可能性があるのです。

税金を安くするために課税所得を抑えてしまうと手取り額が少ない、自由に使えるお金が少ない、つまり住宅ローンを組んでも返済能力がないと判断されかねません。

どんなに年間売上が高くても、審査にも通らなくなってしまうのです。

焦りは禁物!3年後を見据えて計画的に行動

https://unsplash.com/photos/NObT7cuEm2k

フリーランスが住宅ローンを組む場合、事前準備がとても大切。

準備期間中にやるべきことは、以下の通りです。

住宅ローンの事前準備
  • 3期連続で業績を黒字にする
    →「1期でも赤字があるとNG」という審査基準をクリアするため
  • 所得を安定させる
    →「3期分の平均所得」または「3期中で最も低い所得」による審査をクリアするため
  • 節税対策しすぎない
    →所得が少ない=返済能力がない と判断されるのを防ぐため

審査では多くの場合、直近3期分の確定申告書が必要になります。

ローンを組みたいなら契約を急がず、どんなに遅くても3年前から準備を開始しましょう!

フリーランスにはフラット35がおすすめ

木製の赤い家
https://unsplash.com/photos/JXI2Ap8dTNc

銀行各社の住宅ローン審査は、収入に波があるフリーランスには少々厳しめ。

しかしフラット35なら、フリーランスでも住宅ローン契約ができるかもしれません。

フラット35のメリット・デメリット

フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が共同で提供する全期間固定金利型の住宅ローンです。

住宅ローンのなかで高い知名度を誇るフラット35には、多くの魅力がある一方で無視できないデメリットもあります。それぞれご紹介しましょう。

フラット35の魅力

https://unsplash.com/photos/1fzyz-bmKBw
フラット35の4つの魅力
  • 金利が一定
  • 民間の住宅ローンと審査基準が異なる
  • 団体信用生命保険への加入が任意
  • 商品ラインナップが豊富

金利が一定

返済期間中、金利が一切変動しません。

つまり契約時点で毎月の返済額・将来的な返済総額が決定するので、長期的な資金計画・返済計画を最初から立てられるのです。

民間の住宅ローンと審査基準が異なる

フラット35の審査では、契約者の状況だけでなく購入予定の物件の状態も加味されます。

銀行の審査では契約者の職業や勤務先・収入など「人」で判断されるため、社会的信用度が低いフリーランスは不利、といえるでしょう。

一方フラット35は「人+物件」で判断されるうえ、審査基準がある程度公表されており、フリーランスでも審査対策を立てやすいのは大きなメリットです。

また金利変動を加味しないシンプルな審査も、フリーランスへの間口を広げています。

冒頭でも触れたとおり、フリーランスは会社員と比べて社会的信用度が高くありません。

フラット35は契約者個人の経済・就労・信用状況だけで判断されないので、フリーランスでも審査通過の可能性が高まるというわけです。

団体信用生命保険への加入が任意

一般的な銀行ローンでは団体信用生命保険への加入が必須ですが、フラット35では加入義務がありません

たとえば持病など健康上の理由で団体信用生命保険に加入できない人でも、住宅ローンの検討ができます。

商品ラインナップが豊富

フラット35では、7つの商品と4つのオプションサービスを展開しています。

【フラット20】借入期間を15年以上20年以下に設定することで、低金利でローンが組める
【フラット50】国が認定した長期優良住宅を対象に、最長50年の金利固定型ローンが組める
【フラット35】リノベ中古住宅を購入してリフォームする or リフォーム済み中古住宅を購入する場合に、一定期間低金利でローンを組める
【フラット35】S長期優良住宅や質が高い住宅を購入することで、一定期間金利が下がるオプション

※それぞれ利用条件が異なります。また、これらはすべて2022年10月時点の情報です。

ただしフラット35にはデメリットもあり!

https://unsplash.com/photos/26h317_UMYM

フリーランスにとってメリットしかないように見えるフラット35ですが、残念ながら良い面ばかりではありません。

フラット35の2つのデメリット
  • 将来的に金利が下がった場合に損する
  • フルローンは金利が高い

将来的に金利が下がった場合に損する

フラット35は金利が絶対に変わりません。

つまり市場の金利が上がっている時期には得をするのですが、もし返済期間中に金利が下がった場合は、変動金利型の住宅ローンと比較して返済額が高くついてしまいます

金利を少しでも安く抑えたい、あるいは将来的に金利が下がると予想している場合は、フラット35の契約をあまりおすすめできません。

フルローンは金利が高い

全く同じ商品でも、建設費または購入価額に対する融資率によって金利が異なります。

安い金利で借入できるのは、融資率90%までです。これを超えると、金利が0.2%前後上がってしまいます。

金利を抑えるためには、借入希望額の10%分の頭金を用意するか、別の金融機関でローンを組む必要があります。

もし自己資金で賄うなら、ある程度まとまったお金が必要です。

貯金を削りたくない、大きなお金が用意できないといった場合は高い金利のフルローンを利用するか、別の金融機関で残り10%分のローンを組まなければなりません。

住宅ローンの利用は計画的に!

https://unsplash.com/photos/xhQhvAkoaZg

住宅ローン審査を無事通過しても、そこで終わりではありません

そこから数十年間、毎月返済が続きます。

ローンを組む前に、無理なく返済を続けられるよう計画を立てておきましょう。

- SHARE -

WEBライターしている元バンドマンのバンギャ。

About the Author